New Code NLP School

NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士、ニューコードNLP共同開発者カルメン・ボスティック女史が監修するニューコードNLPスクールの公式ブログです。

言葉

脳血流実験からの示唆(3)「自分の母国語を聴いたとき」

フリーベルィは、母国語を録音したテープを普通に回したときと、逆回ししたときとでは、聴いているデンマーク人被験者の血流に大きな差が生じることを明らかにした。普通に回したときには、テープから流れる言葉に含まれるメッセージを理解するために、聴覚中枢と言語中枢をはじめ、この作業に関連する中枢の活動が活発になる。ところが、テープを逆回転させると、なんと脳全体が活性化するのだ、逆回ししたテープは、普通に回したテープより理解しにくい。というより、理解できない。だから、脳は逆回転のテープの内容を消化するために、普通よりずっと多くのエネルギーを使わなければならない。テープが普通に回っていれば、たんに言葉を聞いて特定のコンテクストの中で理解するだけだから、意味んは明白そのものだ。ところが逆回しだと、聞こえてくるのはナンセンスばかりで、何らかの意味を掴むのは至難の業となる。

ところで、これは情報理論とどんな関係があるのだろう。普通に回しても逆回転させても、ビット数は同じに決まっていると思われるかもしれないが、実はそれは聞く人しだいなのだ。

テープを普通に回したとき、聴き手がそれを理解できるなら、その人が経験するのはその言語によって符号化されたビットだけだ。これは聴覚イメージ中に存在する総ビット数よりもはるかに少ない。

しかし、テープの意味がわからなければ、普通に回そうと逆に回そうとビット数は変わらない。聴き手は聴覚イメージの中の音の差異という形でしかテープの音声を知覚しないので、どちらに回そうが、聴き手の捉える音の差異の数は同じになるからだ。

正しく回したとき、それが理解可能なテープだとわかっていれば、逆回転させたときよりテープのビット数は少ない。テープに吹き込まれた言語がデンマーク語だとわかっていると、聞き手にとって聴覚イメージの中の意外性は減る。つまり、情報量は少ないということだ。もちろん、デンマーク語がわかる人の場合だが。

意味をなさない録音に含まれる膨大な情報量を消化するには、意味を成す録音を聴くときより多くの働きが脳に要求される。秩序を経験することより無秩序を経験することのほうが、多くの情報を含んでいる。明瞭なメッセージには無秩序な情報がないからではなく、普通の話を聞いたとき、無秩序な情報はいちいち相手にしなくてもいいことを、脳がよく知っているからだ。言葉がわかれば、ほかはどうでもいい。

私たちはメッセージを聞いて、日常の意味でいう情報として知覚する。この行為が明らかにしてくれるのは、じつは、メッセージの情報量はもっとあってもよいはずなのに、意外に少ないということだ。パイプ、つまり私たちが耳を傾ける伝達経路には、メッセージを知覚するときに私たちが知覚するよりはるかに多くの細かい情報が含まれている。だが、私たちはそうした詳細を無視する。そこにあるのはメッセージで、何一つ意味のとれない不可解な暗号ではないことを知っているからだ。日常概念でいう情報とは、ほんとうは捨てられた情報のことだ。日常生活で、メッセージを聞いて情報が豊富だと思うのは、詳細や物理的な情報のすべてに注目しなくても、そこにわずかな数の差異が認められればそれで事足りるからだ。

一方、逆回転で再生したテープは、日常の感覚では情報が豊富だとは思えない。情報を処分して組み立てられたわけではなく、音の差異の寄せ集めにすぎないからだ。私たちにしてみれば、これは(物理的には大量の情報を含んでいるのだが)情報ではなく、ただのでたらめだ。無秩序はあまりに複雑な構造をしているので、逆に、構造など持たないように見えてしまう。

日常的な情報の概念は、「大量のミクロ状態を無視してもいいようなマクロ状態はあるか」という問いと直結している。もしあれば、脳は受けたメッセージを理解して消化するのにそれほど苦労しない。血流も少なくてすむ。

このように、「理解」という概念は、客観的に観察できる生理的プロセスと結びついている。フリーベルィとその同僚は、血流パターンを調べることで、被験者がデンマーク語のわかる人かどうかを、客観的に見極める方法を開発したことになる。お望みとならばナバホ語でもいいのだが。
(トール・ノーレットランダーシュ著「ユーザーイリュージョンー意識という幻想」p.151-153 )


会話をする外人














ユーザーイリュージョン―意識という幻想
トール・ノーレットランダーシュ
紀伊國屋書店
2002-09-01



The User Illusion: Cutting Consciousness Down to Size
Tor Norretranders
Penguin Books
1999-06-01



NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール
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記事更新日:2022/09/17

言葉の発音の極意〜基音と倍音の違い〜

私たちは普段、一つの発音の中に多種多様な倍音が含まれていることに気づかず、誰かと会話をしたりスピーチをしたりしていると思います。

例えば、「子猫(こねこ)」という言葉は、男性が発音しても女性が発音しても、子どもが発音してもお年寄りの方が発音しても同じものを指していることがわかります。

子猫


これは、"KO NE KO" という子音と母音の組み合わせを音に変換する際に、その音から派生するさまざまな倍音のなかの絶対的な音の高さである基音(fundamental tone)に意識を向けるため、どのような音の高さであれ同じ発音に聞こえるという仕組みです。つまり絶対的な音高とその連なりを聞き取り、コード化されたものを記憶から引き出すことで意味を判断するというプロセスです。


次の2つの文章をそれぞれ発音してみましょう。

(1)「毛糸玉で遊ぶ楽しそうな子猫」

(2)「親猫からはぐれた不安そうな子猫」


私たちは、基音でその言葉の意味を判断するだけではなく、倍音(overtone)で、言葉の意味を超えたさまざまな情報を受け取ることができます

例えば、「白い布」という言葉があったとき、その布は、シルク、木綿、麻、ウール、化学繊維などさまざまな素材のものがあり、実際に触れてみると、サラサラしていたりゴワゴワしていたり、温もりを感じたり心地よかったりします。それと同じく、「子猫」という言葉の発音も、その言葉の意味を知るための基音だけではなく、明るい音や暗い音、硬い音や柔らかい音など、そこに込められている倍音を聴き取ることで、より多くの情報に触れることができます。


音楽の世界に絶対音感(absolute pitch, perfect pitch)という言葉があります。これは、音をヘルツ(Hz)といった絶対値というフィルターを使って記号化し、分類したり判断したりするものです。音に絶対値をつけることで意識化しやすくなる反面、自然界に存在する意識できない音のすべてに感覚を向けることができなくなります。平均化されたものに意識を向けるか、普遍的なものに無意識的に開いていくか、このあたりに目を向ける時代に入っているように思えてなりません。

猫

〈参考文献〉
倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01



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記事更新日:2024/06/03

Silence is also a word...

I heard an interesting story from my friend.

 

He is a Japanese in his fifties and has been a musical director for overseas bands. One day, a small issue came up and he was asked for his opinion as a director.

 

At that moment, he stopped talking and took the time for a moment to give weight to his words. However, according to him, nobody around him waited for him to begin to talk. On the contrary, they began to talk freely as they like. In Japan, silence and pauses serve as preparations for the next important word. The longer the silence is, the more everyone understand that the next words carry weight. On the other hand, in the West, it is perceived as having nothing to say.

 

He says that he has a lot of overseas experience and has no problems with music. However, according to him, in everyday life, Westerners do not “read the atmosphere of  the place” or do not think that “silence is also a word''. This is a cultural difference that our Japanese cannot become familiar with, he says.

 

[References]

Akikazu Nakamura, Body changes with ‘Missoku’ in Sinchosensho, Shinchosha, 2006, pp142-143.

ミーティング



沈黙もまた言葉である…

友人からおもしろい話を聞きました。

彼は五十代の日本人で、ずっと海外のバンドの音楽監督をしています。何かちょっとした問題が持ち上がって、監督としての意見を聞かれたのだそうです。

「うーむ……」と、彼としては次の言葉に重みを与えようと一瞬黙ったところ、みんな聞き耳を立てるかなと思ったら、その反対に、まわりはどんどんしゃべり始め、待ってはくれない。日本だったら、沈黙やタメは次の重要な言葉への布石でしょう。沈黙が長ければ、言葉は重いということがおのずとわかる。それが西洋では、言いたいことがない、と受け止められてしまう。

海外経験はとても豊富で、音楽的にはぜんぜん支障はないそうですが、日常的な部分では、西洋人は「空気を読む」ということがない、「沈黙もまた言葉である」というふうには考えてないのだ、ということにはなかなか慣れることができないらしいのです。
(中村明一著「密息」新潮選書 p.142-143より)


ミーティング


「密息」で身体が変わる (新潮選書)
中村 明一
新潮社
2006-05-24



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記事更新日:2024/06/28

沈黙もまた言葉である…

友人からおもしろい話を聞きました。

彼は五十代の日本人で、ずっと海外のバンドの音楽監督をしています。何かちょっとした問題が持ち上がって、監督としての意見を聞かれたのだそうです。

「うーむ……」と、彼としては次の言葉に重みを与えようと一瞬黙ったところ、みんな聞き耳を立てるかなと思ったら、その反対に、まわりはどんどんしゃべり始め、待ってはくれない。日本だったら、沈黙やタメは次の重要な言葉への布石でしょう。沈黙が長ければ、言葉は重いということがおのずとわかる。それが西洋では、言いたいことがない、と受け止められてしまう。

海外経験はとても豊富で、音楽的にはぜんぜん支障はないそうですが、日常的な部分では、西洋人は「空気を読む」ということがない、「沈黙もまた言葉である」というふうには考えてないのだ、ということにはなかなか慣れることができないらしいのです。
(中村明一著「密息」新潮選書 p.142-143より)


ミーティング


「密息」で身体が変わる (新潮選書)
中村 明一
新潮社
2006-05-24



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記事更新日:2024/06/28

否定の言葉が入った会話について

無意識を用いたNLP適用のワークに精通している読者は、他の文脈における問題に気づくでしょう。効果的なコミュニケーションの分析では、否定を使用する話者は、まさに彼が望んでいないことや行動について言及し、次に、否定のいずれかの形式を使って、彼の言葉が聞き手を刺激したものについて否定します。これは、例えば、親が子供に「火遊びをしないで!」と言うというような典型的な統合失調的コミュニケーションのクラスの言語の使用につながります。
 

この文章は、子供の無意識のレベルでの自然な意味づけのプロセスを通して、火遊びという行動のイメージ、音、感覚(つまり、その子供は火のイメージを見、その熱を感じ、そのパチパチという音を聞き、彼自身の中に火遊びをするという行動を感じます)を引き出します。心配されている子供にとって残念なことに、大人はその否定を投げかけます。つまり、大人はその文章によって、子供の中で刺激された行動を実行しないように差し止め命令を出します。これは、事実上、まさにその親が望んでいないもの表象を刺激し、そのように提案されたものに対する差し止め命令を提供する一連の出来事です。子供の知覚ポジションから言えば、大人は表象を提案し、次にそれらの表象は許可されていないことを示したことになります。その子供は、示された行動を実行することと、それらを実行してはいけないという差し止め命令との間に捕らわれてしまいます。

 

もちろん、進行中の(または将来の)行動(火遊び)が受け入れられないということを子供に知らせたい大人にとって、より知的で効果的で矛盾のない戦略は、以下のような別の活動(文脈、子供、及び大人が持っている意図にふさわしく、大人が子供にやめさせたい活動を排除するもの)を指定することです。

 

全てのマッチを集めてこのテーブルに持ってきて、これで家を建てましょう!

  

子ども














The reader familiar with NLP application work with the unconscious will be aware of the issue in other contexts. In the analysis of effective communication, a speaker using negation will mention precisely the thing/action that he does not want and then negate what his words have stimulated in the listener by the use of one or the other forms of negation. This leads in the native use of language to the typical schizophrenagenic class of communication by parents, for example, with their children such as,


 Don't play with fire!

The sentence elicits through the natural meaning-making processes at the unconscious level in the child, images, sounds and feeling of the action playing with fire (that is, the child sees the image of a fire, feels its heat, and hears its crackling and then feels the movement within himself to play with it). Unfortunately for the child concerned, the adult then proposes its negation, that is, delivers the injunction NOT to carry out the actions simulated within the child by the adult's sentence. This is, in effect, a sequence that stimulates representations of precisely what the parent does NOT want and having stimulated those representations, offers an injunction against what has been so proposed. From the perceptual position of the child, the adult has proposed representations and then indicated that those representations are NOT permitted. The child is caught between carrying out the actions named and the injunction NOT to carry out.

 

A more intelligent, effective and congruent strategy, of course, is for the adult who wishes to signal the child that the ongoing (or future) behavior is unacceptable(playing with fire) to name another activity (one appropriate context, the child and the intention the adult has and mutually exclusive of the activity from which the adult wants the child to desist)  such as,

 

Gather up all the matches, bring them over here to the table and let’s build a house with them!

 

'Whispering in the Wind' p.34-35)



Whispering In The Wind

John Grinder 
Carmen Bostic St. Clair
J & C Enterprises
2001-12-31




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記事更新日:2022/07/23

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