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NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士、ニューコードNLP共同開発者カルメン・ボスティック女史が監修するニューコードNLPスクールの公式ブログです。

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自由意志

私たちに自由意志はあるのか(2)ベンジャミン・リベットの見解

アメリカの生理学者ベンジャミン・リベットが1980年に行った実験を紹介します。

ポリグラフ検査













リラックスした状態でイスに座っている人の頭に、脳の電気信号を測定する装置を取りつけます。そして手首を動かしてもらい、その際に出る脳の電気信号を測定します。

当時、私たちが自分の身体を動かすときは、実際に動き出す少し前に筋肉を動かす指令としての電気信号が脳から出ることが知られていました。そのため、一連の現象は次のような順序で起こると予想されていました。

1.自分が『手首を動かそう』と意識する
2.脳が手首を動かすための電気信号を出す
3.手首が実際に動く

しかし、実験の結果は、次のような順序になりました。

1.脳が手首を動かすための電気信号を出す
2.自分が『手首を動かそう』と意識する
3.手首が実際に動く

つまり、自分が『手首を動かそう』と意識する前に、脳が手首を動かすための電気信号を出していたのです。

このことから、自分が『手首を動かそう』と思って手首を動かしたのではなく、その意思よりも前に(無意識的な何かによって)手首が動くことが決まっていて、その指令もすでに脳から出ており、手首が動くプロセスの途中で、意識が『手首を動かそう』と後追いのような形で続いていることがわかりました。つまり、自分の手首を、自分の意識が動かしているのではなく、(無意識的な何かによって)手首が動くことがすでに決まっていたことになります。

それでは、私たちにとって、自由意志とは何なのでしょうか? 私たちは、自分で行動を選択したり、決めたりすることはできないのでしょうか?

この実験結果を出したベンジャミン・リベットは、「人間に自由意志はある」と述べ、次のように説明しています。

1.脳が手首を動かすための電気信号を出す
2.自分が『手首を動かそう』と意識する
3.手首が実際に動く

2と3の間に、手首を動かすことをしないと選択するための僅かな瞬間があり、その僅かな瞬間で、私たちは自らの意思で行動を止めることができるということなのです。ですから、人間には自由意志があると説明しています。

ベンジャミン・リベット

ベンジャミン・リベット
 

 








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記事更新日:2022/07/23

私たちに自由意志はあるのか(1)ベンジャミン・リベットの実験

アメリカの神経生理学者ベンジャミン・リベットは、脳科学の実験を通して、私たち人間の意識、とりわけ「自由意志」についてさまざまな見解を発表しました。

ベンジャミン・リベット(Wikipedia)
Benjamin Libet(Wikipedia)

ベンジャミン・リベット
















リベットの実験は次のように進められた。まず被験者は快適なラウンジチェアに座り、リラックスするように指示される。合図とともに時計の文字盤中央に目を向け、点がぐるぐる回るのを見ながら、好きなときに指を曲げるか手を動かすかする。被験者には、実際にそうしたくなるまで、つまり衝動や決意や意図を感じるまで待つことを強調しておく。被験者はそうした衝動を感じるまで待ち、それからそれに従う。同時に、動かそうという衝動を感じた瞬間の、時計上の点の位置を記憶しておく。

この方法により、リベットは三種類のデータを手に入れた。被験者が行為を行う決意を意識的に下した時点と、実際に実行した時点、そして〈準備電位〉が現れた時点だ(図53)。実験は、1979年の3月と7月に、20代の学生5名を対象に実施された。「その正確さには驚きました」と、リベットは10年以上前の実験を振り返る。結果は首尾一貫しており、実験データの分析から有意義な結論が得られた。比較検証のため、皮膚刺激を感じた瞬間を特定させる実験と、自分が実際に動作を行ったと思う瞬間を特定させる実験を行ったが、その結果と、決意を意識した瞬間を特定せた結果は、いずれも統計的に見て矛盾のないものだった。

結果的に疑問の余地はなかった。〈準備電位〉が動作の0.55秒前に現れ始めたのに対し、意識が始動したのは行為の0.20秒前だった。したがって、決意の意識は、〈準備電位〉の発生から0.35秒遅れて生じることになる。言い換えれば、脳の起動後0.35秒が経過してから、決意をする意識的経験が起きたわけだ。

数字を丸めれば(データの出所が明らかな場合はさしつかえなかろう)、自発的行為を実行しようという意図を意識するのは、脳がその決定を実行し始めてから0.5秒たった後という結論になる。

つまり三つの事象が起きている。まず〈準備電位〉が発生し、ついで被験者が行為の開始を意識し、最後に行為が実行される。

行為を実行したいという欲求が意識的に感じられるかなり前に、脳はその行為を開始している。ただし、意識が行為の実行に先立つことに違いはない。

「脳が行為の開始を、あるいは少なくともその準備を『決める』のが先であり、その後でそうした決意が生じたという報告可能で主観的な自覚が起きることが明らかだ」と、リベットと同僚たちは結果をまとめた論文に書いている。彼らはさらに続ける。「結論をいえば、本実験で調べたような自由意識による自発的行為でさえ、脳レベルでは無意識のうちに始動しうるのであり、また、現に通常、始動しているのだ」

その数年後のリベットの言葉を借りれば、こうもいえる。
「以上のことから、あらゆる意識的かつ自発的な行為が行われる500ミリ秒程度の前には、特別な意識の脳プロセスが始動していると考え、られる」

なんと、私たちの行動は無意識のうちに始まっている。自分で意識的に行動を決意したつもりでも、実際はその0.5秒前から脳は動きだしている。意識が行為を始めているのではない。無意識のプロセスが始めているのだ。この結論を聞いても、意を唱えようと躍起にならない読者がいるとしたら、奇妙な話だ。この結論は、人間はかくあるべしと私たちが日ごろ思い描くイメージと、真っ向から対立する。私たちは意識に欺かれているわけだ。

何をするかは私たちが決められる、と意識はいう。しかし、どう考えても、さざなみ程度の存在にすぎない。実際には意のままにできない物事を掌握しているふりをして、いい気になっているだけだ。意識は、決定を下すのは自分で、自分が私たちの行動を引き起、こしている、と主張する。しかし、実際に決定がなされるときは、その場にいもしない。意識は遅れてやってくるのに、そのことを黙っている。意識は自らを欺いている。だが、意識の持ち主たる私たちを欺かずに自分自身を欺くことなど、可能だろうか。意識の自己欺瞞は、私たち自身の自己欺瞞にほかならないのではないのか。
(「ユーザーイリュージョンー意識という幻想」p.269-271より引用)

ユーザーイリュージョン―意識という幻想
トール・ノーレットランダーシュ著
柴田裕之訳
紀伊國屋書店
2002-09-01



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