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NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士、ニューコードNLP共同開発者カルメン・ボスティック女史が監修するニューコードNLPスクールの公式ブログです。

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日本語

日本語研究テキスト「杜子春」(芥川龍之介)

 或春(あるはる)の日暮(ひぐれ)です。

 唐の都(みやこ)洛陽(らくよう)の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。

 若者は名を杜子春(とししゅん)といって、元は金持ちの息子でしたが、今は財産を費い(つかい)尽して、その日の暮しにも困る位(ぐらい)、憐な(あわれな)身分になっているのです。

 何しろその頃(ころ)洛陽(らくよう)といえば、天下に並ぶもののない、繁昌(はんじょう)を極めた都ですから、往来にはまだしっきりなく、人や車が通っていました。門一ぱいに(もんいっぱいに)当っている(あたっている)、油のような夕日の光の中に、老人のかぶった紗(しゃ)の帽子や、土耳古(トルコ)の女(おんな)の金の耳輪や、白馬に飾った色糸(いろいと)の手綱(たづな)が、絶えず流れて行く容子(ようす)は、まるで画(え)のような美しさです。

 しかし杜子春は相変らず、門の壁に身を凭せて(もたせて)、ぼんやり空ばかり眺めていました。空には、もう細い月がうらうらと靡いた(なびいた)霞(かすみ)の中に、まるで爪の痕(あと)かと思う程、かすかに白く浮かんでいるのです。

 「日は暮れるし、腹は減るし、その上もうどこへ行っても、泊めてくれる所はなさそうだしーーーこんな思いをして生きている位(ぐらい)なら、一そ(いっそ)川へでも身を投げて、死んでしまった方がましかも知れない」

芥川龍之介

三日月


















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記事更新日:2022/09/11

日本語研究テキスト「方丈記」(鴨長明)

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世中(よのなか)にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。

たましきの都
のうちに、棟(むね)を並べ、甍(いらか)を争へる、高き、卑しき、人の住ひは、世々を経て盡(つ)きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔しありし家は稀なり。或は去年(こぞ)繞(や)けて今年作れり。或は大家(おおいえ)滅びて小家(こいえ)となる。住む人もこれに同じ。所も変らず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人(にさんじゅうにん)が中(うち)に、わづかにひとりふたりなり。朝(あした)に死に、夕(ゆうべ)に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。不知(しらず)、生れ死ぬる人、何方(いずかた)より來(き)たりて、何方(いずかた)へか去る。また不知(しらず)、假(かり)の宿り、誰(た)が為にか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その、主(あるじ)と栖(すみか)と、無常を爭(あらそ)ふさま、いはばあさがほの露に異ならず。或は露落ちて花殘れり。るといへども朝日に枯れぬ。或は花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕(ゆうべ)を待つ事なし。

鴨長明


川













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記事更新日:2022/09/11

日本語研究テキスト

和柄











ニューコードNLPスクールのブログで、「日本語研究テキスト」について書いた記事の一覧です。

日本語研究テキスト(目次)
2020/08/01 日本語研究テキスト(目次)

日本語研究テキスト(記事)
2020/09/01 「方丈記」(鴨長明)
2020/09/02 「杜子春」(芥川龍之介)
2020/09/03 大祓詞(おほはらへのことば)
2020/09/04 大祓詞(おほはらへのことば) ※ひらがな編

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記事投稿日:2022/09/11

日本人の脳と母音の認識について

脳内スイッチ機構の概念

1976年に提起した「スイッチ機構」という概念は、左右の大脳半球に分かれる手前の脳幹を中心として、左右の聴覚野と照合し、さらに、中脳網様体を含む非特殊経路や小脳を加えたシステムを想定しています。この機構は、異種感覚間の統合と感覚と運動の統合などに重要な役割を果たしていると考えられます。
(角田忠信「日本語人の脳」より)


脳の優位性と言語環境

日本人や日本語で育った外国人の脳は、母音がもっている僅かな周波数の揺らぎに対応するスイッチの特性を持っています。それとは対照的に、日本人以外の人の脳は、子音の破裂音のようなはっきりとしたFM(周波数の変調)が加わった場合に、それを言語脳の方に振り分けるスイッチの特性を持っています。このようなスイッチの特性の違いを生み出した原因については、人種や遺伝子情報といった先天的なものではなく、6歳から9歳までのあいだに持続母音を使う言語環境にあり、実際にその言語を使った人が、この日本人型のスイッチを示すようになるということです。

母音がもっている僅かな周波数の揺らぎに対応するスイッチの特性は、日本人とポリネシアの民族に見られます。ポリネシア語は、母音が「アイウエオ」の5つであり、単独の母音が有意語(意味を持った語)であり、「アア」「アイ」「アウ」「アエ」「アオ」など母音の組み合わせにも意味があります。子音が使われる場合も、子音と母音の組み合わせで使われる、という、日本語との共通点があります。

〔結論〕
◎日本語は、母音が優勢の言語である。
 ・脳における左右差の原因となっている可能性がある。

◎日本語は、子音同士の組み合わせがない。
 ・組み合わせの可能性が少なく、音声構成が単純である。
 ・同音語が多発し、それを区別するために、音響が複雑になる。

◎日本語は、常に子音と母音の組み合わせで成り立っている。
 ・短い時間のなかで音響的に非常に異なったものの変化を聞き分けなければならない。

◎母音は子音よりも音響的な幅が大きい。
 ・ことから、母音中心である日本語の言語は音響の幅が広く、子音中心である西洋の言語の音響の幅が狭い。

いろはうた













【参考文献】
倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01









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記事投稿日:2022/09/19

Some examples of onomatopoeia in Japanese

Some examples of onomatopoeia in Japanese

Onomatopoeia in Japanese can be roughly divided into two sub-categories: giongo (擬音語, “sound-imitating expressions”) and gitaigo (擬態語, “state-depicting expressions”).

 

(Haruhiko Kindaichi, a Japanese linguist, has proposed a more detailed classification: giseigo (擬声語), giongo (擬音語), gitaigo (擬態語), giyougo (擬容語)and gijougo (擬情語)In this article, however, we will adopt a more general classification and focus on giongo and gitaigo.)

 

(1) giongo (“sound-imitating expressions”) … linguistic expressions that imitate sounds we hear in the natural world.
 

-     wan-wan (the barking of a dog)

-     nyah-nyah (the meowing of a cat)

-     kah-kah (the cawing of a crow)

-     chun-chun (the chirping of a sparrow)

-     kokekokkoh (the crowing of a cock)

-     ogyah (the crying of a baby)

-     zah-zah (the sound of pouring rain)

-     doki-doki (the sound of a heart pounding)

-     goku-goku (the sound when you drink water)

-     goro-goro (the sound of thunder)

-     gara-gara (the sound when you gargle)

-     peh (the sound when you spit)

-     gachan (the sound of hitting or breaking hard objects)

-     pata-pata (the sound of a cloth or wings flapping)

 

(2) gitaigo (“state-depicting expressions”) … linguistic expressions that depict states, manners, or movements of a person, animal, food, etc.

 

-     kira-kira (glittering)

-     pika-pika (shining)

-     tsuru-tsuru (slippery or smooth)

-     sara-sara (smooth and dry)

-     kyoro-kyoro (when you look around restlessly)

-     mochi-mochi (the texture of certain foods that are like mochi, the Japanese rice cake)

 

(3) linguistic expressions that have the characteristics of both giongo and gitaigo

 

don-don (adv.)

“To tramp on the floor don-don.” (the sound of tramping)

“You have improved your Japanese don-don. (the manner in which you have improved your linguistic skills, namely, at a rapid pace)

 

goro-goro (adv.)

“A wagon moves goro-goro. (the rattling sound the wagon makes)

“On weekends I hang around at home goro-goro.” (the manner in which you spend your day, namely, lying down, relaxed)


As we have seen, Japanese has various kinds onomatopoeia that are used naturally in daily conversations. Some think that onomatopoeia is one form of baby talk since adults often speak to babies using onomatopoeic expressions, such as “boo-boo” for cars, or “piipoh-piipoh” for ambulances. However, onomatopoeia is in fact a category of everyday language that vividly describes things and sounds in the natural world.

 

New Code NLP seeks to study the nature of onomatopoeia, employing the notion of synesthesia.



オノマトペにはどのようなものがあるか


日本語のオノマトペには、大きく分けて擬音語(ぎおんご)と擬態語(ぎたいご)があります。(言語学者の
金田一春彦氏は「擬声語」「擬音語」「擬態語」「擬容語」「擬情語」というより細かい分類を提案していますが、ここでは大雑把な分類を採用することとします)

 

1.擬音語:自然界の音や物音、人間や動物の声など、〈音〉を言語化したもの。

 ・わんわん(イヌの鳴き声)
 ・にゃあにゃあ(ネコの鳴き声)
 ・かあかあ(カラスの鳴き声)
 ・ちゅんちゅん(スズメの鳴き声)
 ・こけこっこー(ニワトリの鳴き声)
 ・おぎゃー(赤ちゃんの泣き声)
 ・ざあざあ(雨が激しく降る音)
 ・どきどき(心臓が激しく打つ音)
 ・ごくごく(液体を勢いよく飲む音)
 ・ごろごろ(雷が鳴る音)
 ・がらがら(うがいをするときの音)
 ・ぺっ(つばを吐く音)
 ・がちゃん(かたい物が勢いよくぶつかる音、または壊れる音)
 ・ぱたぱた(布などが軽く打ちつける音)


2.擬態語:人や物の〈状態〉〈動き〉〈ようす〉を言語化したもの。
 ・
きらきら(美しく輝くようす)
 ・ぴかぴか(つやがあって光っているさま)
 ・つるつる(表面が非常に滑らかなさま)
 ・さらさら(湿り気や粘り気がないさま)
 ・きょろきょろ(落ち着かないようすであたりを見まわすさま)
 ・もちもち(餅のように弾力性のあるさま)

 

3.擬音語と擬態語の両方の特徴をもつもの
 ・
どんどん
 「床に足音がどんどん鳴り響く」(足音という物の〈音〉を表す)
 「日本語がどんどん上手になる」(語学が上達する〈ようす〉を表す)

 ・
ごろごろ
 「台車の音がごろごろ鳴り響く」(台車という物の〈音〉を表す)
 「休日は家でごろごろしています」(身体を横にして過ごしている〈ようす〉を表す)

 

このように、日本語には多種多様なオノマトペがあり、日常会話でも自然に使われています。大人が幼児に話しかけるときにも用いられることが多く、たとえば車を「ぶーぶー」と呼んだり、救急車を「ピーポーピーポー」と呼んだりします。こうしたことからオノマトペを幼稚なことばと考えるむきもありますが、実際はそうではなく、自然界にあるものを感覚的にとらえたことばなのです。


ニューコードNLPでは、オノマトペという言語現象について、シナスタジア(共感覚)の観点からさらに考察していくことを課題としています。



きらきら













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記事更新日:2022/08/16

A Brief Note on: Onomatopoeia

A Brief Note on: Onomatopoeia

The word onomatopoeia comes from a French word onomatopee, which further originates from an ancient Greek word onomatopoiia.
 It is a compound of onoma- (“name”) and -poiein (“to make”). Put together, it basically means “word-making.”

 

In Japanese onomatopoeia refers to a category of expressions that describe various states or movements. In other words, it is a linguistic device by which we encode the sounds we hear in the natural world.

For example, zah-zah describes the sound of pouring rain, pota-pota the sound of dripping water, wan-wan the barking of a dog, kah-kah the cawing of a crow, etc. There are other examples, such as niko-niko (“smiling”) or waku-waku (“excited”), which do not imitate the sounds but the feelings or senses.Japanese makes use of lots of these onomatopoeias.


オノマトペという言葉について

「オノマトペ」という言葉は、フランス語の onomatopee(オノマトペ) からきています。さらにさかのぼると、古代ギリシャ語の onomatopoiia(オノマトポイーア)に由来します。これは、onoma(名前)と poiein(作る)という言葉が合わさったもので、「言葉を作る」という意味があります。

日本語においては、さまざまな状態や動きなどを表現した言葉をオノマトペと呼んでいます。おもに自然界にある音など、現実に聞こえる音を言語化したものです。

例えば、雨が降る音を「ざあざあ」、雫がたれる音を「ぽたぽた」、犬の鳴き声を「わんわん」、カラスの鳴き声を「かあかあ」などと表現します。このような現実に聞こえる音以外に、「にこにこ」や「わくわく」など感覚から生まれた表現としてのオノマトペもあります。

日本語は特にオノマトペが多く用いられる言語です。

傘と雨














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記事更新日:2022/08/16

On-yomi and Kun-yomi(2) Different parts of your brain are activated depending on whether you read kanji or kana

On-yomi and Kun-yomi(2) Different parts of your brain are activated depending on whether you read kanji or kana

 

Japanese has a very unique reading system as to how you read kanjiOn-yomi (音読み; “the Chinese-borrowed reading”) and kun-yomi (訓読み; “the original Japanese reading”). For example, 重 can be read in a variety of ways:


大(juu-dai, “significant”
複(juu-fuku, “overlapping”
複(chou-fuku, “overlapping”
ねる(kasa-ne-ru, “to pile up”
野さん(mi-e-no-san, “Mr. / Mrs. / Ms. Mieno”
松さん(shige-matsu-san, “Mr. / Mrs. / Ms. Shigematsu”

 

It is said that the Japanese writing system as it is now was established when kana was invented. Manyōgana, the use of kanji to represent the sound, such as 安 /a/, 加 /ka/, 散 /sa/, 多 /ta/, etc. gave birth to kana, the simpler characters that similarly represent the sound, such as あ /a/, か /ka/, サ /sa/, タ /ta/, etc. One of the characteristics of Japanese is the use of those two* different characters; kanji, which is a form of ideogram, and kana, a phonogram (*kana can be further divided into katakana and hiragana but that argument is omitted here).

 

Takeshi Yoro, a Japanese medical doctor, states that the brain of Japanese people functions in a unique way due to their peculiar linguistic system, namely, on-yomi and kun-yomi. When you read Japanese, the different part of your brain is activated depending on whether you are reading kanji or kana. This observation is confirmed by the medical case where a mild stroke causes some people to lose the ability to read kanji, while others to forget how to read kana.


音読みと訓読み(2)漢字と仮名は脳の部位が異なる

漢字の「音読み訓読み」は日本独特のものです。例えば、漢字の「重」という字があります。これは、さまざまな読み方ができます。


   大(じゅうだい)
   重複(じゅうふく)
   重複(ちょうふく)
   重ねる(かさねる)
   三野さん(みのさん)
   重松さん(しげまつさん)

いまの日本語表記体系が確立されたのは、仮名ができた頃だと言われています。万葉仮名が仮名になったわけです。表音文字である仮名と表意文字である漢字の両方を使い分けているのが日本語の特徴といわれています。

日本の医学者である養老孟子氏は、「音読み訓読み」という特殊な日本語によって、日本人は脳の特殊な使い方をするようになったといいます。ひとつの大きな特徴は、日本語の場合、脳内で漢字を読む場所と仮名を読むのに使う場所が違う点にあります。軽い脳卒中になったとき、漢字が読めなくなる患者さんと仮名が読めなくなる患者さんがいることでも、脳の部位が違うことがわかるそうです。


百人一首














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記事更新日:2022/08/16

On-yomi and Kun-yomi(1) Japanese and a language from the ancient mesopotamia

On-yomi and Kun-yomi(1) Japanese and a language from the ancient mesopotamia 


Japanese has a very unique reading system as to how you read kanjiOn-yomi (音読み; “the Chinese-borrowed reading”) and kun-yomi (訓読み; “the original Japanese reading”). This kind of phenomenon is very rare, but not necessarily an exclusive feature of Japanese. Dr. Haruhiko Kindaichi, a Japanese renowned linguist, has pointed out that the similar system is found in Akkadian, a language once spoken in the ancient Mesopotamia. To quote his observation:

 

“In Japanese 春風 can be read as either harukaze or shumpu, while in Korean it is read as Chunfon, a reading borrowed from Chinese. In Japanese春 can be read as shun or haru. […] The thing is that these two readings have nothing in common. This kind of reading system is very rare and nowhere else to be seen in today’s languages. If you go back in time, however, you find one in Asia Minor. In that region once lived a people called Sumerian before common era, who had an exceptional culture. They invented the so-called “cuneiform characters,” which were then exported to the Akkadian Empire, where the people started using them to record their national language.” (Kindaichi 1988, p.28ff.)

 

Akkadian is a language used in the ancient Mesopotamia, whose speakers have left us with materials written from c. 3500 BCE to the first century BCE. This language also had two different readings of a character; a reading borrowed from a foreign language, and a reading based on their native language. The former corresponds to on-yomi in Japanese, while the latter to kun-yomi. We can infer from this that “one character, two readings” may not be exclusively unique to Japanese, but could be a universal phenomenon. It is interesting that Kindaichi refers to Akkadian as a language that has a similar feature to Japanese.

 

Reference

Kindaichi, Haruhiko (1988) Japanese: New Edition, Volume 2. Iwanami-Shoten.



音読みと訓読み(1)日本語と古代メソポタミアの言語

日本語の「音読み・訓読み」は、世界的に見て非常にめずらしいものです。しかし、これは唯一無二のものではなく、古代メソポタミアで話されていたアッカド語にその例があることを日本の言語学者である金田一春彦氏は指摘しています。金田一氏の言葉を以下にそのまま記載します:


日本では「春風」と書いて「ハルカゼ」とも「シュンプウ」とも読むが、韓国では「チュンフォン」と読み、これは中国から韓国へ入った読み方だ。「春」という字は、日本では「シュン」とも読むが、「ハル」とも読む。……(中略)……そしてこの、ハル haru、シュン shun のあいだには全く共通点がない。このような言語体系は現在、日本以外にはどこにも見当たらない、大変めずらしいことである。もっとも今の世界にはほかにないが、歴史をさかのぼってみると、紀元前にはあったという。小アジアで紀元前の昔、シュメール人というすぐれた文化を誇った民族があって、楔形文字という文字を使っていた。その文字をアッカド帝国というところで借りて自分の国語の表記に使ったのがその例である。(金田一春彦(1988)『日本語 新版(下)』岩波書店より)

アッカド語は古代メソポタミアの言語で、紀元前3000年半ばから紀元前1世紀までの資料が現存しています。このアッカド語にも、自国での読みと外国語での読みという「音読み・訓読み」があったということです。同じ言葉を違う読み方をするという日本語の表記法に見られる特徴が、日本語だけの特殊なものではなく、何か普遍的な文脈を持つ可能性があります。金田一氏が、日本語と同じような傾向性のあるアッカド語について言及しているのは興味深いことです。 


シュメール人













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記事更新日:2022/08/16

いろいろな言語が交ざっている日本語

私たちが日常生活で使っている日本語の表記は、漢字・ひらがな・カタカナだけではなく、ローマ数字やアラビア数字など、世界各国の種々の文字を組み合わせて使っています。また、家族や友だちなど親しい間柄では、顔文字や絵文字を使うことも多いです。下記にその例を挙げてみます。

「数学兇離謄好箸100点をとりました!」

◎使われている言葉や記号:
 ・漢字…数学、点
 ・ローマ数字…
 ・ひらがな…の、で、を、とりました
 ・アラビア数字…100
 ・記号…!

100点













「明日は大学のOB会でBBQをします。ワクワク〜(^O^)/」

◎使われている言葉や記号:
 ・漢字…明日、大学、会
 ・ひらがな…は、の、で、を、します
 ・カタカナ…ワクワク
 ・アルファベット…OB, BBQ
 ・記号…〜
 ・顔文字…(^O^)/

バーベキュー














「N響のWEBチケットでオペラのGS席は¥30,000です」

◎使われている言葉や記号:
 ・漢字…響、席、円
 ・ひらがな…の、で、の、は、です
 ・カタカナ…オペラ、チケット
 ・アルファベット…WEB, GS
 ・アラビア数字…30,000
 ・記号…¥

チケット













Japanese is a mixture of various languages. 

 

The Japanese notation we use in our daily life lives includes not only kanji, hiragana, and katakana, but also a combination of various characters from all over the world such as Roman numerals and Arabic ones. Emoticons and Emojis are also often used among close relationships such as family and friends. Here are some examples.

Example:
 

【a.Japanese sentence/b.Hepburn sentence/c.English translation】

a. 
数学兇離謄好箸100点をとりました!
b. 
Sugaku no Tesuto de 100 ten wo Torimashita !

c. I got 100 points on the math II test!


◎Words and marks used:

【Classification/Japanese word(Hepburn notation)】

 ・Kanji…数学(sugaku/mathematics), 点(ten/point)

 ・Hiragana…の(no), で(de), を(wo), とりました(torimashita

 ・Katakana…テスト(tesuto/exam)

 ・Roman numerals…供ni/two)

 ・Arabic numerals…100hyakuone hundred

 ・Simbol…! 

◎Sample I

Words and marks used (According to word order in sentence):                

【Japanese word (Hepburn notation)/Classification】
 ・供ni)…
Roman numerals
 ・の(no)…Hiragana
 ・テスト(testo)…Katakana
 ・で(de)…Hiragana
 ・100(hyaku)…
Arabic numerals

 ・点(ten)…Kanji

 ・を(wo)…Hiragana
 ・とりました(
torimashita)…Hiragana
 ・!…Symbol

100点 











Example II

【a.Japanese sentence/b.Hepburn sentence/c.English translation】

a. 
明日は大学のOB会でBBQをします。ワクワク〜(^o^)/.

b. Ashita wa Daigaku no OB kai de BBQ wo Shimasu. Wakuwaku ~(^o^)/.

c. Tomorrow we will have a BBQ at the university alumni party. Excited~(^O^)/.


◎Words and marks used:

【Classification/Japanese word(Hepburn notation)】

 ・Kanji…明日 (asu/tomorrow),  大学 (daigaku/university), 会(kai/(party)

 ・Hiragana…(wa), (no), (de), (wo), します (shimasu/will have)

 ・Katakana…ワクワク(wakuwakuexcited

 ・ Alphabet…OB,  BBQ

 ・Simbol…〜

 ・Emoticon, emoji…(^o^)/

Sample II

Words and marks used (According to word order in sentence):                

【Japanese word (Hepburn notation)/Classification】
 ・供ni)…
Roman numerals
 ・明日(
asu)…Kanji
 ・は(wa)…Hiragana
 ・大学(
daigaku)…Kanji
 ・の(no)…
Hiragana
 ・OB(
obi)…Alphabet
 ・会(
kai) …Kanji
 ・で(
de)…Hiragana
 ・BBQ(
babekyu)…Alphabet
 ・を(wo)…Hiragana
 ・します(
shimasu)…Hiragana
 ・ワクワク(
wakuwaku)…Katakana
 ・〜…
Simbol
 ・
   (^O^)/…Emoticon, emoji


 バーベキュー











Example III

【a.Japanese sentence/b.Hepburn sentence/c.English translation】

a. 
N響のWEBチケットでオペラのGS席は¥30,000です。

b. N-kyo no Webu Chiketto de Opera no GS Seki wa ¥30,000 Desu. 

c. The GS seats for the opera are \30,000 with N-Kyo Web Tickets.


◎Words and marks used:

【Classification/Japanese word(Hepburn notation)】

 ・Kanji…響(kyo/Abbreviation for symphony orchestra), 席(seki/seat), 円(en/Yen)

 ・Hiragana…の (no), (de), (no), (wa), です (desu/is)

 ・Katakana…オペラ (operaopera), チケット (chikettoticket

 ・Alphabet…NenuAbbreviation for NHK,  Web(webuweb, GS(Jiesu/GS)

 ・Arabic numerals…30,000sanmanthirty thousand

 ・Simbol…¥(en/yen)


Sample III

Words and marks used (According to word order in sentence):                

【Japanese word (Hepburn notation)/Classification】
 ・
N(enu)…Alphabet
 ・響(kyo)…Kanji
 ・の(no)…Hiragana
 ・Web(webu)…
Alphabet
 ・チケット(
chiketto)…Katakana
 ・で(de)…
Hiragana
 ・オペラ(
opera)…Katakana
 ・の(
no)…Hiragana
 ・GS(
jiesu)…Alphabet
 ・席(
seki)…Kanji
 ・は(wa)…
Hiragana
 ・¥(
en)…Simbol
 ・
30,000(sanman)…Arabic numerals
 ・です(desu)…
Hiragana             

チケット


 

 





 



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記事更新日:2022/12/01

オノマトペという言葉について

「オノマトペ」という言葉は、フランス語の onomatopee(オノマトペ) からきています。さらにさかのぼると、古代ギリシャ語の onomatopoiia(オノマトポイーア)に由来します。これは、onoma(名前)と poiein(作る)という言葉が合わさったもので、「言葉を作る」という意味があります。

日本語においては、さまざまな状態や動きなどを表現した言葉をオノマトペと呼んでいます。おもに自然界にある音など、現実に聞こえる音を言語化したものです。

例えば、雨が降る音を「ざあざあ」、雫がたれる音を「ぽたぽた」、犬の鳴き声を「わんわん」、カラスの鳴き声を「かあかあ」などと表現します。このような現実に聞こえる音以外に、「にこにこ」や「わくわく」など感覚から生まれた表現としてのオノマトペもあります。

日本語は特にオノマトペが多く用いられる言語です。


A Brief Note on: Onomatopoeia 


The word onomatopoeia comes from a French word onomatopee, which further originates from an ancient Greek word onomatopoiia.
It is a compound of onoma- (“name”) and -poiein (“to make”). Put together, it basically means “word-making.”

 

In Japanese onomatopoeia refers to a category of expressions that describe various states or movements. In other words, it is a linguistic device by which we encode the sounds we hear in the natural world.

For example, zah-zah describes the sound of pouring rain, pota-pota the sound of dripping water, wan-wan the barking of a dog, kah-kah the cawing of a crow, etc. There are other examples, such as niko-niko (“smiling”) or waku-waku (“excited”), which do not imitate the sounds but the feelings or senses.Japanese makes use of lots of these onomatopoeias.

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記事更新日:2022/08/16

音読みと訓読み(2)漢字と仮名は脳の部位が異なる

漢字の「音読み訓読み」は日本独特のものです。例えば、漢字の「重」という字があります。これは、さまざまな読み方ができます。

   大(じゅうだい)
   重複(じゅうふく)
   重複(ちょうふく)
   重ねる(かさねる)
   三野さん(みのさん)
   重松さん(しげまつさん)

いまの日本語表記体系が確立されたのは、仮名ができた頃だと言われています。万葉仮名が仮名になったわけです。表音文字である仮名と表意文字である漢字の両方を使い分けているのが日本語の特徴といわれています。

日本の医学者である養老孟子氏は、「音読み訓読み」という特殊な日本語によって、日本人は脳の特殊な使い方をするようになったといいます。ひとつの大きな特徴は、日本語の場合、脳内で漢字を読む場所と仮名を読むのに使う場所が違う点にあります。軽い脳卒中になったとき、漢字が読めなくなる患者さんと仮名が読めなくなる患者さんがいることでも、脳の部位が違うことがわかるそうです。


On-yomi and Kun-yomi(2) Different parts of your brain are activated depending on whether you read kanji or kana

 

Japanese has a very unique reading system as to how you read kanji: On-yomi (音読み; “the Chinese-borrowed reading”) and kun-yomi (訓読み; “the original Japanese reading”). For example, can be read in a variety of ways:


大(juu-dai, “significant”
複(juu-fuku, “overlapping”
複(chou-fuku, “overlapping”
ねる(kasa-ne-ru, “to pile up”
野さん(mi-e-no-san, “Mr. / Mrs. / Ms. Mieno”
松さん(shige-matsu-san, “Mr. / Mrs. / Ms. Shigematsu”

 

It is said that the Japanese writing system as it is now was established when kana was invented. Manyōgana, the use of kanji to represent the sound, such as /a/, /ka/, /sa/, /ta/, etc. gave birth to kana, the simpler characters that similarly represent the sound, such as /a/, /ka/, /sa/, /ta/, etc. One of the characteristics of Japanese is the use of those two* different characters; kanji, which is a form of ideogram, and kana, a phonogram (*kana can be further divided into katakana and hiragana but that argument is omitted here).

 

Takeshi Yoro, a Japanese medical doctor, states that the brain of Japanese people functions in a unique way due to their peculiar linguistic system, namely, on-yomi and kun-yomi. When you read Japanese, the different part of your brain is activated depending on whether you are reading kanji or kana. This observation is confirmed by the medical case where a mild stroke causes some people to lose the ability to read kanji, while others to forget how to read kana.


百人一首














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記事更新日:2022/08/16

音読みと訓読み(1)日本語と古代メソポタミアの言語

日本語の「音読み・訓読み」は、世界的に見て非常にめずらしいものです。しかし、これは唯一無二のものではなく、古代メソポタミアで話されていたアッカド語にその例があることを日本の言語学者である金田一春彦氏は指摘しています。金田一氏の言葉を以下にそのまま記載します:


日本では「春風」と書いて「ハルカゼ」とも「シュンプウ」とも読むが、韓国では「チュンフォン」と読み、これは中国から韓国へ入った読み方だ。「春」という字は、日本では「シュン」とも読むが、「ハル」とも読む。……(中略)……そしてこの、ハル haru、シュン shun のあいだには全く共通点がない。このような言語体系は現在、日本以外にはどこにも見当たらない、大変めずらしいことである。もっとも今の世界にはほかにないが、歴史をさかのぼってみると、紀元前にはあったという。小アジアで紀元前の昔、シュメール人というすぐれた文化を誇った民族があって、楔形文字という文字を使っていた。その文字をアッカド帝国というところで借りて自分の国語の表記に使ったのがその例である。(金田一春彦(1988)『日本語 新版(下)』岩波書店より)

アッカド語は古代メソポタミアの言語で、紀元前3000年半ばから紀元前1世紀までの資料が現存しています。このアッカド語にも、自国での読みと外国語での読みという「音読み・訓読み」があったということです。同じ言葉を違う読み方をするという日本語の表記法に見られる特徴が、日本語だけの特殊なものではなく、何か普遍的な文脈を持つ可能性があります。金田一氏が、日本語と同じような傾向性のあるアッカド語について言及しているのは興味深いことです。


On-yomi and Kun-yomi(1) Japanese and a language from the ancient mesopotamia 


Japanese has a very unique reading system as to how you read kanji: On-yomi (音読み; “the Chinese-borrowed reading”) and kun-yomi (訓読み; “the original Japanese reading”). This kind of phenomenon is very rare, but not necessarily an exclusive feature of Japanese. Dr. Haruhiko Kindaichi, a Japanese renowned linguist, has pointed out that the similar system is found in Akkadian, a language once spoken in the ancient Mesopotamia. To quote his observation:

 

“In Japanese 春風 can be read as either harukaze or shumpu, while in Korean it is read as Chunfon, a reading borrowed from Chinese. In Japanese can be read as shun or haru. […] The thing is that these two readings have nothing in common. This kind of reading system is very rare and nowhere else to be seen in today’s languages. If you go back in time, however, you find one in Asia Minor. In that region once lived a people called Sumerian before common era, who had an exceptional culture. They invented the so-called “cuneiform characters,” which were then exported to the Akkadian Empire, where the people started using them to record their national language.” (Kindaichi 1988, p.28ff.)

 

Akkadian is a language used in the ancient Mesopotamia, whose speakers have left us with materials written from c. 3500 BCE to the first century BCE. This language also had two different readings of a character; a reading borrowed from a foreign language, and a reading based on their native language. The former corresponds to on-yomi in Japanese, while the latter to kun-yomi. We can infer from this that “one character, two readings” may not be exclusively unique to Japanese, but could be a universal phenomenon. It is interesting that Kindaichi refers to Akkadian as a language that has a similar feature to Japanese.

 

Reference

Kindaichi, Haruhiko (1988) Japanese: New Edition, Volume 2. Iwanami-Shoten.

 


シュメール人













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記事更新日:2023/02/05

日本語の特質について(目次)

ニューコードNLPスクールのブログで、「日本語の特質」について書いた記事の一覧です。

日本語の特質について(目次)
2019/05/01 日本語について(目次)

日本語の音読みと訓読みについて
2019/06/01 音読みと訓読み(1)日本語と古代メソポタミアの言語
2019/06/02 音読みと訓読み(2)漢字と仮名は脳の部位が異なる

日本語のオノマトペについて
2019/06/03 オノマトペという言葉について
2019/06/04 オノマトペにはどのようなものがあるか 

日本語のユニークさ
2019/06/05 いろいろな言語が混ざっている日本語

日本語とメタファー
2017/10/09 清らかな水にたとえた習い事

English Page
2019/07/01 On-yomi and Kun-yomi(1) Japanese and a language from the ancient mosopotamia
2019/07/02 On-yomi and Kun-yomi(2) Different parts of your brain are activated depending on whether you read kanji or kana
2019/07/03 A Brief Note on: Onomatopeia
2019/07/04 Some examples of onomatopoeia in Japanese
2019/07/05 Japanese is a mixture of various languages.
2019/11/10 Osarai: the Japanese art of learning


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記事更新日:2022/08/16

About the word “Ma”

In Japan, there is a word “Ma”. One of its meanings is “between something and something”, in other words, “interval” in English. Furthermore, this “Ma” is generally divided into two types.

 

What one type means is intervals in time or in space, in which, like pause in time or gap in space, nothing exists or which has no meanings. Break and blank also represent this meaning plainly.

 

On the other hand, another type’s “Ma” shows that, although there is actually nothing in space or time, a vast and deep universe is just there. What it expresses is a sense that some elements, including itself, invade empty time and space, making them meaningful.

 

[References]

Akikazu Nakamura, Harmonic Tone:A cultural Note of Sound, Language and Body, Shunjusha, November 1, 2010, p133 


「間(ま)」という言葉について



日本には、間(ま)という言葉があります。ひとつは英語でいえばインターバル、何かと何かの間(あいだ)、つまりは間隔です。その定義は、大きく二つのタイプに分けられます。

ひとつは、時間の間隔および空間の間隔です。タイミング、あるいはスペースといってもよいでしょう。その間(あいだ)に何も存在しない、意味を持たないもの。たんなるブレイク、ブランクという意味です。

もうひとつは、何もないように見えて、実はそこにこそ広く深い宇宙がある、ということを表すための間(ま)です。それは、時間、空間に、それ自身を含め、他の要素が浸食し、時間、空間が歪んでいる感覚です。
(中村明一著「倍音 音・ことば・身体の文化誌」p.133より)


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倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01



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記事更新日:2022/11/28

「間(ま)」という言葉について

日本には、間(ま)という言葉があります。ひとつは英語でいえばインターバル、何かと何かの間(あいだ)、つまりは間隔です。その定義は、大きく二つのタイプに分けられます。

ひとつは、時間の間隔および空間の間隔です。タイミング、あるいはスペースといってもよいでしょう。その間(あいだ)に何も存在しない、意味を持たないもの。たんなるブレイク、ブランクという意味です。

もうひとつは、何もないように見えて、実はそこにこそ広く深い宇宙がある、ということを表すための間(ま)です。それは、時間、空間に、それ自身を含め、他の要素が浸食し、時間、空間が歪んでいる感覚です。
(中村明一著「倍音 音・ことば・身体の文化誌」p.133より)


About the word “Ma” 

 

In Japan, there is a word “Ma”. One of its meanings is “between something and something”, in other words, “interval” in English. Furthermore, this “Ma” is generally divided into two types.

 

What one type means is intervals in time or in space, in which, like pause in time or gap in space, nothing exists or which has no meanings. Break and blank also represent this meaning plainly.

 

On the other hand, another type’s “Ma” shows that, although there is actually nothing in space or time, a vast and deep universe is just there. What it expresses is a sense that some elements, including itself, invade empty time and space, making them meaningful.

 

References

Akikazu Nakamura, Harmonic ToneA cultural Note of Sound, Language and Body, Shunjusha, November 1, 2010, p133 



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