〈例文1〉
「黄色い傘の絵を描きました。傘の柄の部分は茶色にしました」

「黄色い傘の絵を描きました。傘の柄の部分は茶色にしました。」
この例文では、母音がもたらす音響的変化(整数次倍音の変化)を聴き比べることができます。傘の絵(エ)と傘の柄(エ)の二つの「エ」は、同じ母音の「エ」でありながら、実際に発音してみるとそれぞれ違う音の響きをもっていることがわかります。傘の絵の「エ」は高めの音、傘の柄の「エ」は低めの音で発音します。
〈例文2〉
「転んで足を擦りむき血が出ました。ちゃんと地に足をつけて歩かないといけません」

「道ばたで転んで足を擦りむいて血が出ました。ちゃんと地に足をつけて歩かないといけませんね」
この例文では、子音がもたらす音響的変化(非整数次倍音の変化)を聴き比べることができます。血(チ)と地(チ)の二つの「チ」は、同じ子音の「チ」でありながら、実際に発音してみるとそれぞれ違う音の響きをもっていることがわかります。血(チ)は「チシィ」という感じで「シ」という子音がもたらす非整数次倍音を強調します。一方、地(チ)は、血(チ)ほど非整数次倍音(シィ)を強調せず、純粋に「チィ」と発音します。
〈例文3〉
「私の人生の師であるバイオリンの先生が他界しました。先生の死を悼み、これまでのレッスンに感謝しつつ思い出の詩を綴り、それをバイオリンの曲に仕立ててみようと思います」

「人生の師であるバイオリンの先生が病気で他界しました。先生の死を悼み、これまでのレッスンに感謝しつつ思い出の詩を綴り、それをバイオリンの曲に仕立ててみようと思います」
この例文では、子音がもたらす音響的変化(非整数次倍音の変化)と母音がもたらす音響的変化(整数次倍音の変化)を聴き比べることができます。師(シ)と死(シ)と詩(シ)の三つの「シ」は、同じ子音の「シ」でありながら、実際に発音してみるとそれぞれ違う音の響きをもっていることがわかります。この文章でもっとも重要な言葉である死(シ)は子音の[sh-]という非整数次倍音を強調します。一方、師(シ)は死(シ)ほど[sh-]という非整数次倍音を強調しません。また、詩(シ)は子音の[sh-]という非整数次倍音よりも母音の[-i]という整数次倍音の響き(音色)を大切に発音します。音の階調(音高や音量のグラデーションをつけること)に関しては、死(シ)は高めの音、詩(シ)は低めの音で」は低めの音で発音します。
日本語の場合、重要な言葉ほど倍音に変化をつけて発音するように思われます。
〈参考文献〉
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール

記事更新日:2024/04/16