◎外耳
音は、耳介(pinna)によって集められたあと、外耳を通過します。外耳は、音波の受信器として働き、聴覚が周波数のどの領域でもっとも鋭敏になるかを決定する要因にもなっています。一般的に、私たち人間がもっとも鋭敏にな周波数帯域は3000Hz〜4000Hzあたりです。音波が外耳道に伝導して鼓膜を振動させるまでのあいだに、外耳道でフィルターがかけられ、一部の音が強調され、その他の音は減衰します。強調されるか否かは、音の周波数と到達方向によって決まります。
こちらの聴覚器官の図では[2. 外耳道、3. 耳殻]が外耳になります。

1. 骨導
2. 外耳道
3. 耳殻
4. 鼓膜
5. 前庭窓
◎中耳
音波、すなわち空気の疎密の変動は、鼓膜に振動を引き起こし、その振動は中耳で増幅されます。中耳は鼓膜の後ろにある容積約2mlの空洞で、鼓膜の振動を伝える耳小骨という3つの連結した骨があります。ツチ骨(malleus, 槌ハンマー)は鼓膜と結合しており、振動をキヌタ骨(incus, 槌を打ちつける台)、アブミ骨(stapes, 馬具の鎧)を経て、受容器をもつ蝸牛(cochlea)へと伝達します。蝸牛は内耳の一部で、リンパ液に満たされており、そのリンパ液を振動させて、蝸牛内の基底膜と呼ばれる膜の振動を作り出します。周波数が低い場合は先端部が最大の動きをし、周波数が高くなるにつれてその基部が最大の動きをします。その振動は基底膜上に並ぶそれぞれの有毛細胞に伝えられ、これによって私たちは音の高さを認識します。その際、複合的な音に対しても敏感に反応するため、倍音が複雑に混合していても、それぞれの音を個別に認識することができます。このように、耳の構造は、コンピューターで音を分析して倍音を明らかにするのと同じことが行えるように作られています。そして最終的に蝸牛での情報は、蝸牛神経によって脳に送られます。
こちらの聴覚器官の図では、紫色の部分が内耳になります。

6. ツチ骨(槌骨)
7. キヌタ骨(砧骨)
8. アブミ骨(鐙骨)
9. 三半規管
10. 蝸牛
11. 聴神経
12. 耳管

NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール

記事更新日:2024/06/05