日本語は、「母音のみ」もしくは「子音+母音」で発音する言語です。子音は必ず母音と結合し、子音だけの言葉は存在しません。下記に、母音と子音の音響的変化について具体例をご紹介します。
(1)母音と子音の倍音について
言葉について、倍音という観点で見てみますと、おおよそ子音には非整数次倍音系の響きが、母音には整数次倍音系の響きが含まれています。日本語の場合、子音は必ず母音と結合しているため、1音(1シラブル)ごとに倍音構造が変わります。これにより、1音(1シラブル)ずつ音響を変化させながら発音していることとなり、日本語が持つ響きの豊かさにつながっているのです。
(2)母音の音響的変化について
日本語は、母音が主体であるため、母音の発音の響きが言葉の意味を示す重要な要素となります。日本語は、言葉の意味よりも音そのものに表現が込められることから、音響と意味が分離していない言語ともいえます。
〈エクササイズ〉
次の文章を、母音の響きで意味が表出することを意識しながら発音してみましょう。
※母音: red letters 子音: blue letters
・栄子の家は、いい家です。
e i ko no i e wa, i i i e de su.
・甥の家で、芋を植えました。
o i no i e de, i mo o u e ma si ta.
(3)同音異義語と母音の音響的変化について
日本語は、母音の数が「a, i, u, e, o」の五つであることと、子音と母音が必ずセットになっていることから、同音異義語が多く生じるため、正しい意味を伝えるために、発音の際の音響的変化が不可欠となります。次の文章を、言葉の意味を意識しながら発音してみましょう。
〈エクササイズ〉
次の文章を、母音の響きで意味を表出することを意識しながら発音してみましょう。
※母音: red letters 子音: blue letters
・広島で牡蠣を食べました」
Hi ro si ma de kaki wo ta be ma si ta.
・私は牡蠣フライが好きです」
Wa ta si wa kaki fu ra i ga su ki de su.
・家の庭に柿の木があります」
i e no ni wa ni kaki no ki ga a ri ma su.
・仕事の予定は下記の通りです」
si go to no yo te i wa kaki no to o ri de su.
・木の橋を渡りました」
ki no hasi o wa ta ri ma si ta.
・木の端を切りました」
ki no hasi o ki ri ma si ta.
・パスタを箸で食べました」
pa su ta o hasi de ta be ma si ta.
・箸袋の端を折ると箸置きになります」
Hasi bu ku ro no hasi o o ru to hasi o ki ni na ri ma su.
(4)母音と子音の音響的変化について
母音は音響構造を変えられるのに対し、子音はその間隔が詰んでいるために音響構造を変えることができません。そのため、発音する際の音響による表現はおもに母音の方で行われます。音響の倍音構造を変えることにより、言葉の意味の区別、特定の意味の強調、特定の表情など、言葉全体に豊かな表現力を持たせることができます。
〈エクササイズ〉
次の文章を、言葉の意味の区別、特定の言葉の強調、特定の表情などを意識しながら発音してみましょう。
・むかしむかし、大分に老いた王がいました。
mu ka si mu ka si, o o i ta ni o i ta ou ga i ma si ta.
・紅海を航海したと公開して後悔した。
ko u ka i o ko u ka i si ta to ko u ka i si te ko u ka i si ta
(5)言葉に意味をもたせるもの
◎母音の倍音を変化させること(母音の音色や音質を変化させること)によって、言葉に意味をもたせます。
◎音に階調をつけること(音高や音量のグラデーションをつけること)によって、言葉に情感をもたせます。
以上のことから、日本語は、音によって意味や情感を持たせる言語であることがわかります。
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール

記事更新日:2024/04/16
(1)母音と子音の倍音について
言葉について、倍音という観点で見てみますと、おおよそ子音には非整数次倍音系の響きが、母音には整数次倍音系の響きが含まれています。日本語の場合、子音は必ず母音と結合しているため、1音(1シラブル)ごとに倍音構造が変わります。これにより、1音(1シラブル)ずつ音響を変化させながら発音していることとなり、日本語が持つ響きの豊かさにつながっているのです。
(2)母音の音響的変化について
日本語は、母音が主体であるため、母音の発音の響きが言葉の意味を示す重要な要素となります。日本語は、言葉の意味よりも音そのものに表現が込められることから、音響と意味が分離していない言語ともいえます。
〈エクササイズ〉
次の文章を、母音の響きで意味が表出することを意識しながら発音してみましょう。
※母音: red letters 子音: blue letters
・栄子の家は、いい家です。
e i ko no i e wa, i i i e de su.
・甥の家で、芋を植えました。
o i no i e de, i mo o u e ma si ta.
(3)同音異義語と母音の音響的変化について
日本語は、母音の数が「a, i, u, e, o」の五つであることと、子音と母音が必ずセットになっていることから、同音異義語が多く生じるため、正しい意味を伝えるために、発音の際の音響的変化が不可欠となります。次の文章を、言葉の意味を意識しながら発音してみましょう。
〈エクササイズ〉
次の文章を、母音の響きで意味を表出することを意識しながら発音してみましょう。
※母音: red letters 子音: blue letters
・広島で牡蠣を食べました」
Hi ro si ma de kaki wo ta be ma si ta.
・私は牡蠣フライが好きです」
Wa ta si wa kaki fu ra i ga su ki de su.
・家の庭に柿の木があります」
i e no ni wa ni kaki no ki ga a ri ma su.
・仕事の予定は下記の通りです」
si go to no yo te i wa kaki no to o ri de su.
・木の橋を渡りました」
ki no hasi o wa ta ri ma si ta.
・木の端を切りました」
ki no hasi o ki ri ma si ta.
・パスタを箸で食べました」
pa su ta o hasi de ta be ma si ta.
・箸袋の端を折ると箸置きになります」
Hasi bu ku ro no hasi o o ru to hasi o ki ni na ri ma su.
(4)母音と子音の音響的変化について
母音は音響構造を変えられるのに対し、子音はその間隔が詰んでいるために音響構造を変えることができません。そのため、発音する際の音響による表現はおもに母音の方で行われます。音響の倍音構造を変えることにより、言葉の意味の区別、特定の意味の強調、特定の表情など、言葉全体に豊かな表現力を持たせることができます。
〈エクササイズ〉
次の文章を、言葉の意味の区別、特定の言葉の強調、特定の表情などを意識しながら発音してみましょう。
・むかしむかし、大分に老いた王がいました。
mu ka si mu ka si, o o i ta ni o i ta ou ga i ma si ta.
・紅海を航海したと公開して後悔した。
ko u ka i o ko u ka i si ta to ko u ka i si te ko u ka i si ta
(5)言葉に意味をもたせるもの
◎母音の倍音を変化させること(母音の音色や音質を変化させること)によって、言葉に意味をもたせます。
◎音に階調をつけること(音高や音量のグラデーションをつけること)によって、言葉に情感をもたせます。
以上のことから、日本語は、音によって意味や情感を持たせる言語であることがわかります。
NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士認定校
ニューコードNLPスクール

記事更新日:2024/04/16