ひとつひとつの音が連なっていくことによって、ハーモニー・リズム・メロディが生まれてきます。ハーモニーは、ひとつの音が垂直に重なることにより生じるものです。私たちは、倍音とハーモニーを分けて考えていますが、物理的には倍音とハーモニーは同じものです。その違いは、ハーモニーの場合、発音体が異なる、という点です。つまり、複数の音源から出てくる場合をハーモニーとし、同一の音源から音が出ている場合を倍音と呼ぶ、ということです。

音が時間的に連なった場合、リズムが生まれてきます。これも物理的に考えれば、先ほど説明した「長さ」と近い概念であることがわかります。つまり、音子が時間軸に連なっているということです。リズムの場合は、そこに新たな音の区別が生じているということが、違いです。

時間的に連なり、さらに垂直的に連なったものがメロディを生み出します。当然のことながら、ハーモニー・リズム・メロディには関係があり、ハーモニーが分解され時間的に連なればメロディになります。また、メロディになっているものが、時間的に同じところに位置づけられ、垂直に連なれば、ハーモニーになります。リズムのひとつひとつに垂直的連なりを与えていけば、メロディになりますし、メロディから時間的連なりを抽出すれば、リズムとしての面が強くなっていきます。

これらが合わさって、さらに音楽の構成形式が作られているわけです。ミクロの目で見ると、ひとつの音の部分で、すでに倍音構造が複雑になっている。そして、マクロの目で見ると、構成、形式の複雑さが見えててくるということです。

一般的に、構成形式が複雑な音楽は、倍音構造が単純で、倍音構造が複雑な音楽は、構成形式が単純、という傾向が見られます。どちらかといえば、西洋の音楽の場合は、構成形式の面で複雑なものが多く、日本の音楽の場合は、倍音構造の部分で複雑なものが多い、ということが言えます。
(中村明一著「倍音 音・ことば・身体の文化誌」p.20-21より)

雅楽













倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01



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記事投稿日:2023/01/12