音に含まれる3つの要素
音は、一般的に、「音量」「音高」「時間的位置」という3つの要素により規定されます。音量と音高は独立ではなく、音量がある周期性を持ったときに、音高が認知されます。


音子(おんし)という概念
これら3つからできていて長さが非常に短い、もっとも単純な音の素を、仮に「音子」と呼ぶことにします。この音子は実際には存在しないものですが、数学における、長さ・面積を持たない「点」と同様の概念と考えてください。それ自身に倍音を持たない、長さが非常に短い、音高と音量だけを持つ音の素です。


音子の垂直的な連なり
音子が垂直的に連なった場合、一番下が基音となり、その上にあるものが倍音となります。この倍音の重なり方により、瞬間的な音質が発生します。この状態を想定すると、重なる音子の数、それぞれの重なり方、それぞれの音量に、既に無限の組み合わせがあることがわかります。つまり、この時点で、すでに無限の多様性を秘めているのです。


音子の時間的な連なり
音子が時間的に連なった場合、長さが生まれます。音子が作り出す音質と長さが合わさることによって、はじめて「音」というものが生じます。無数の音子により、音ができています。さらに、そうした音のなかで、ひとつひとつの倍音が、それぞれ時間的にまったく異なる音高、音量の経時変化をしていくわけです。ひとつの音が生まれた段階で、非常に複雑な無限性を持った構造になっていることがわかるでしょう。


以上のことから、一般的にイメージされているように「単純な音が数多く組み合わさることで、複雑な音楽が生まれているということではないのです。すでにひとつの音が現れた段階で、ひとつの音楽作品と同等の複雑さを兼ね備えている、つまり、ひとつの音でさえも、音楽になっているということになります。
(中村明一著「倍音 音・ことば・身体の文化誌」p.16-17より)


お琴















倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01



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記事更新日:2023/01/10