長期記憶とは、記憶の保持期間が長いものをいいます。長期記憶は、短期記憶とはメカニズムが異なり、シナプスの変化を伴います。これをシナプスの可塑性(synaptic plasticity)といいます。

人間の脳には、大脳で数百億個、小脳で千億個、脳全体では千数百億個のニューロン(神経細胞)が張り巡らされており、そのひとつひとつがシナプスを介して別のニューロンと接合し、複雑なネットワーク(神経回路)を作っています。

この回路には、さまざまなことを見聞きしたり肌で感じたりするなどの経験によって常に何らかの電気信号が流れているものの、基本的にはそれらすべてに反応することなく消えていきます。しかし、同じ電気信号が何度も流れてきて、それが一定の基準に達すると、その信号の伝達効率を上げるように、各ニューロンを接合している回路が強化されます。つまり、ニューロンから受け取った情報をそのまま伝達するのではなく、シナプスそのものが変化することにより、神経ネットワーク内の信号の流れが変化し、情報の伝わり方が操作されていくのです。

このように、長期記憶とは、シナプスに、あるいは神経ネットワークに情報を焼き付けるプロセスであり、これを記憶の固定化(memory consolidation)といいます。

長期記憶は、記憶が完全に固定化されるものではなく、また、記憶の固定化もゆっくりしており、情報の内容によっては数日かかるものもあります。


〈参考文献〉
記憶の固定化(脳科学辞典)


脳とシナプス











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記事更新日:2023/11/23