ラッセンとイングヴァルの弟子にあたるラーシュ・フリーベルィとパー・ローランドの二人が、1985年に、思考中の脳の血液循環に関する研究結果を発表した。それによると、暗算、押韻詩の復唱、視覚記憶を使った課題という、三つの異なるタイプの思考では、血流のパターンに大きな違いが見られるという。

【図】暗算、音韻詩の復唱、道筋の視覚的イメージ化の課題では、脳の活動パターンに大きな違いが生まれる。人が何を思考しているか目で確認できるわけだ。この図は左右の大脳半球における血液循環の様子を示している。(フリーベルィとローランドに基づく)

脳内の血流の差異




















暗算では、被験者は50から3を引き、さらに3を引くことを繰り返す。押韻詩の復唱では、デンマーク人であれば誰でも知っている、ナンセンスな押韻詩句 “okker-gokker-gummi-klokker-erle-perle-pif-paf-puf” を一語置きに思い出す。視覚記憶を使った課題では、被験者は家の玄関を出て、さしかかる十字路を左右交互に曲がっていくところを想像する。

これらの課題のそれぞれについて、1分間続けては、脳のどの部分の血流が目立って増えたかを順次観察した。その結果、三タイプの思考の間に大きな違いがあることがわかった。最後の課題がほかの二つよりはるかに難しかったようで、実際、いちばん多くの血液を必要とした。

実験で観察された血液の量の変化は無視できないものだった。感覚的な知覚あるいは運動による作業より思考のほうが、脳内に流れる血液の増加は大きい(もっとも、運動時には体全体の血液循環は当然ながら増大する)。また、心的活動的に、脳内の代謝がどの程度増加するかという研究で、ローランドとその同僚は、思考によって(血流と密接な関係がある)脳の酸素代謝が10パーセント増加する場合があることを明らかにした。

ただでさえ脳は体の中でもエネルギー消費量が多い(全エネルギー消費に脳が占める割合はじつに5分の1に達する)から、これはとても大きな増加率といえる。
(トール・ノーレットランダーシュ著「ユーザーイリュージョンー意識という幻想」p.150-151)

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ユーザーイリュージョン―意識という幻想
トール・ノーレットランダーシュ
紀伊國屋書店
2002-09-01



The User Illusion: Cutting Consciousness Down to Size
Tor Norretranders
Penguin Books
1999-06-01



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記事更新日:2022/09/17