このブログ記事は、中村明一氏の著書「倍音 音・ことば・身体の文化誌」からそのまま引用します。

倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01


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大橋力氏が実験結果について述べている箇所を、著書の中から引用します。

熱帯雨林の環境音の周波数上限が都市の環境音における5〜15kHzを一桁上廻る100〜130kHz以上にまで達することを見出したのをはじめ、熱帯雨林の音の構造が超密度、高複雑性変容性が著しいのと対照的に、都市の環境音が低密度、単純性がはなはだしいことを明らかにした。

この実験結果についての大橋氏の考察を要約しますと、次のようになります。

人間はもともと高周波(可聴域以上の音)に富んだ熱帯雨林に住んでいた。現在生存している動物たちのほとんどもそこから出ており、自然環境が変わるにしたがって、生息域が他のところに移っていった。非西洋音楽(楽器)には非常に高周波に富んだものが多く、ガムランなどは100kHz程度の高周波成分を持っている。そうした高周波を聞くと、脳の基幹部が活性化され、生命維持に必要な免疫物質を分泌、ストレスを軽減し、快適さを増強してくれ、リラックスできるといった効果がある。しかし、現代の都市社会に住む人間、日本人の状況では、豊かな自然音・伝統音楽との乖離がいちじるしく、音楽を聞くといっても20kHz以下のCDや、16kHz以下(録音モードによってはさらに低い)のダウンロードされた音楽を聞くのみとなっている。この状況は人間にとっても非常に危機的な状況なのではないだろうか。人間は本来の環境に生存するときに脳も身体も最良の状態にあり、そこへ向かって歩を進めるべきではないか。

以上のように大橋氏は結論づけ、現在の音響環境に対する厳しい警告を発しています。倍音が多く含まれた楽器、声を直かに体験できる機会を増やし、自然の中の音響、伝統的な生の音楽を大切にすることで、よりよい環境の中で人間本来の生活ができるということは、人類の未来にとって重要なことと思われます。
(中村明一著「倍音 音・ことば・身体の文化誌」p.34-35より)

森林














倍音 音・ことば・身体の文化誌
中村 明一
春秋社
2010-11-01



ハイパーソニック・エフェクト
大橋 力
岩波書店
2017-09-23



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記事更新日:2022/09/13