1953年、アメリカの分子生物学者ジェームズ・ワトソンとイギリスの科学者フランシス・クリックは、DNAが二重らせん構造であることを発見し、1962年、イギリスの生物物理学者モーリス・ウィルキンスとともにノーベル医学生理学賞を受賞しました。そしてフランシス・クリックは、1990年頃から「意識の問題」について取り組み始めました。そして、急速に発展していた脳科学の知見を背景に、脳内にあるどのような神経細胞の活動がいかなる意識体験をもたらすのか、そういった関係性を探ることで、意識を科学の問題に昇格させようと提案したのです。

フランシス・クリック(1916-2004)
フランシス・クリック











クリックは、アメリカの神経科学者でカリフォルニア工科大学教授のクリストフ・コッホと組み、神経細胞の活動と意識体験の対応関係についていくつかの論文を発表しました。そして、科学の問題として意識の研究にも取り組もうとする動きをつくり出しました。

クリストフ・コッホ(1956-)
クリストフ・コッホ
















アメリカ合衆国アリゾナ州のツーソンでは、1996年出版の The Conscious Mind: In Search of a Fundamental Theory(「意識する心−脳と精神の根本理論を求めて」)で「クオリアの問題こそが意識の問題の本質である」と主張したオーストラリアの哲学者ディヴィッド・チャーマーズが中心となり、1994年から2年に1回のペースで「意識の科学に向けて」という会議が開かれるようになりました。この会議は、世界中から、脳科学者、物理学者、心理学者、哲学者など様々な分野の研究者が集まり、クオリアをはじめとする意識の問題を真剣に討論する場となっています。

また、ツーソン会議と並ぶ現代の意識研究分野における中心的な集まりのひとつとして、1994年に欧米の脳科学、認知科学の研究者が中心となった「国際意識科学会」(Association for the Scientific Study of Consciousness: 略称ASSC)という意識研究に関する国際的な学会が結成され、ヨーロッパやアメリカで1年に1回のペースで会議が開かれるようになりました。この会議は、意識について、その性質や機能、基盤となるメカニズムへの理解を深めるため、認知科学、神経科学、哲学、その他関連する様々な分野で行われている研究のサポートを目的としており、クリックのパートナーであるコッホが中心人物のひとりとなっています。

DNA













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記事更新日:2022/07/23