サンクチュアリ(SANCTUARY)

 

1.第三ポジションから、クライアントは文脈(context)とは関係なく、入ることに選択肢が欲しいと思うステートに入ってしまっている自分自身の視覚的、聴覚的表出を行います。もしそのステートが極端なものである場合は、追加でクライアントがクリーンな第三ポジションにアクセスできるようになるようなワークをする必要があるかもしれません。

 

2.第三ポジションから、望まないスペースから約2メーター離れた所にサンクチュアリーのスペースを設置します。サンクチュアリーは、望まないステートでは欠けてしまっている資源の全て、そしてそれ以上のものが存在する、不可侵なスペースです。クライアントは自分が思う通りに自分のサンクチュアリーを構築することができ、それは、歴史上のもしくは神話の登場人物や、動物、色、音楽、メンター、甲冑、もしくは、もちろん非常に資源にあふれた状況にいる自分自身などといったメタファーを含みます。

 

この地点で、床上に2つのスペース(サンクチュアリーのスペースと、クライアントがほかの選択肢が欲しいと願っているステートのスペース)が設置されていることになります。

 

3.サンクチュアリーに足を踏み入れ、VAKサブモダリティーを強化することや、ほかの何であれクライアントがXステートからの避難所になるよう求めているものによって、そのサンクチュアリーを構築します。

 

4.サンクチュアリーの脇へ出て、完全にサンクチュアリーを振るい落します。クライアントは自分自身の体を敏感にして、通常のステートにおいて経験している体感覚、望まないステートに選択の余地がなく入ってしまう前のいつものステートを完全に知覚している状態にします。

 

5.上記のポジションから、クライアントはゆっくりと設定した望まないステートに向かって歩き、その望まないステートに関連した最初の感覚(sensation)を感じた瞬間にそれを振り払って、サンクチュアリーに飛び込みます。

  

これを3回繰り返します。

  

高度なカリブレーションの技術のあるプラクティショナーは、大抵クライアントが自身で気づく前に、クライアントが望まないステート最初に触れた瞬間を検出します。その際、プラクティショナーは、迅速にクライアントにサンクチュアリーに飛び込むよう指示します。

☆図説☆

サンクチュアリーのパターンでは、クライアントは望まないステートに向けて歩く際、資源が活性化された状態ではないことをわかっていることが重要です。完全にサンクチュアリーを振り落としておくことで、

一番最初に望まないステートの体感覚が起きたことを検出できるのです。もし、資源が活性化された状態で歩いて行ったなら、この介入の目的である望まないステートの一番最初に反応を起きる瞬間(に気づくこと)に対して、敏感であることができないでしょう。

 

まとめますと、ニューコードNLPのきわめて重要な特徴は、クラシックコードに内在する「意志の力」様式のステートのコントロールとは対照的に、「ステートの選択」にあります。私たちは皆、意志の力には限界があることを知っています。異なったパフォーマンスが求められる具体的なコンテキストにおいては、ニューコードゲームのハイパフォーマンスステートが適用されます。サンクチュアリーは、様々なコンテキストにわたって存在する一つのステートに対処するために、そしてその受益者にステートの選択肢を与えることができるように設計されています。サンクチュアリーのパターンを使う前は、その望まないステートに入る際のスピードがあまりにも早いために、もしくは、手遅れになるまで気づけないようなゆっくりとしたペースのために巻き込まれてしまい、その結果ステートの選択の余地がなくなってしまっていたといったステートに対処するのです。

風景












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記事更新日:2022/05/13