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NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士、ニューコードNLP共同開発者カルメン・ボスティック女史が監修するニューコードNLPスクールの公式ブログです。

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2011年10月

世界を彩色する

感覚情報がどれだけ狒和づ瓩肪粒个気譴襪を感じ取るには、色覚を例に取って検討するといい。網膜では、実は桿状体および円錐体と呼ばれる網膜の小さな細胞が、まず外界から最初の視覚情報を受け取る。円錐体には3種類あり、それぞれがスペクトル上の特定の位置にある光に対して敏感に反応する (スペクトルとは、目に見える色の全範囲をいい、紫、青、緑、黄、橙、赤の順に並んでいる)。この仕組みに従ってスペクトルの特定の光を受け取った円錐体は、大脳にメッセージを送る。円錐体は、今目に映った狄Л瓩何色だったのかということは正確に把握していない。ただ、それが自らの担当範囲内の光であることを承知しているにすぎない。あるタイプの円錐体は紫から青緑までの波長の光を拾い上げ、紫色の光に最もよく反応する。別のタイプの円錐体は青から黄までの光を拾い上げ、緑色の光に最もよく反応する。残りのタイプの円錐体は緑から赤までの光を拾い上げ、黄色の光に最もよく反応する。3種類の円錐体の担当範囲が特に重なり合うのはスペクトルの中央部分にある色(緑と黄)であり、その結果、これらの色は、赤や青より《鮮やかに》感じられる。各色を個別に検査した結果、それぞれの鮮やかさに差はないことが立証されている (Gordon, 1978, p.228)。

大脳の情報入手先が、担当範囲の重なり合う3種類の円錐体のみだとしたら、大脳はどのようにして《現実にそこにある》色を判断するのだろう。見積りを作っているというのがその答えだ。大脳は、視覚野の特定の《色》の領域において、隣り合ういくつかの円錐体から届いた結果を比較し、実際にどの色がそこに存在しているのかを解き当てるために3種類のサンプルを作成する (Cairns-Smith, pp.163-4)。私たちが《見ている》色は、極めて複雑な推量の産物だ。それどころか、隣りにある色次第で、その色が変わって見えることにも気づいているのではなかろうか。青は、隣りに緑があるといかにも《いい感じ》だが、隣りに赤があると《どぎつく》感じられる。逆もまた然りである。ある色を暗い色で囲うと、その色の濃さ、あるいは純度が減じたように感じる (Gordon, 1978, p.228)。さらに、どんな色に見えるかは、その時にどういう感情を抱いているかによっても左右される。普段の会話にも「今日はブルーな気分だ」とか「世の中がバラ色に見える」などといった言い回しが出てくる。すでに述べたことだが、感情にまつわる情報が色の知覚を変えるというプロセスは、実際、外側膝状体にある視覚システムにしっかり組み込まれているのである。

最終的に色を判断する視覚野は、正確な位置がわかっている。脳卒中などによって大脳のこの部位に損傷が生じると、突然何もかもが白黒にしか見えなくなる (後天的脳性色盲)。ときには、視野の半分に色彩があり、残りの半分は《白黒》にしか見えない状態になることもある (Sacks, 1995, p.152)。この現象が初めて報告されたのは1888年のことだが、1899年から1974年までの間、医学文献でこれに関する論議はほとんど行われていない。医学研究者オリバー・サックスは、どのような《製造過程》を通ってものが見えるのかを示す事実に対して、文化的に不快感を覚えるためにそういうことが起きるのではないかと述べている。

1957年、ポラロイドカメラを発明したエドウィン・ランド(Edwin Herbert Land)は、人間の脳が色を《作り上げる》方法について、驚くべき実演をしてみせた。彼は、黄色の光フィルターを使って静物写真を撮ったあと、その画像の白黒のスライドを作った。このスライドに黄色の光を当てると、静物の像が浮かび上がったが、見えたのは黄色の光を発している部分だけだった。次に、橙色の光フィルターを使って同じ静物の写真を撮り、白黒のスライドを作って、橙色の光を当てた。今度は、橙色の光を発している部分のみが見えた。最後に彼は、スクリーンに黄色と橙色の光を当てながら、2枚のスライドを1度に写した。見物者は、黄色と橙色のついた像が見えるだろうと思っていた。しかし、実際に見えたのはフルカラーだった。赤、青、緑、紫・・・実物どおりの色がすべて見えたのだ!最初に黄色の像と橙色の像をそれぞれ見て、両者に差異があることを知っただけで、見物者の脳は《元の現場》にあったはずの色のを推定したのである。フルカラーに見えたのは錯覚だ。しかし、これを同じ錯覚を脳はこの瞬間にも行なっている (Sacks, 1995, p.156)。いうなれば、今あなたが見ている色は、そこにある色ではなく、あなたの脳が作りあげている色なのだ。(RESOLVE 自分を変える最新心理テクニック神経言語プログラミングの新たな展開p.29-32から引用)


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ポラロイド写真











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記事更新日:2022/04/28

サブモダリティ応用エクササイズ「サブモダリティの変換」

サブモダリティ応用エクササイズ「サブモダリティの変換」

私たちは日々の生活でさまざまな経験を行っています。そして、自分にとってポジティブだと思う経験もあればネガティブだと思う経験もあります。

例えば、ある人が「自分の過去の経験」について二つ思い出すとします。

一つ目は「楽しかった海外旅行」について。それは、視覚的にはカラーで鮮明な映像、聴覚的には音量が大きくてステレオのような立体感のある響き、体感覚的には心地よい暖かさと柔らかい空気感をもっているとします。

二つ目は「辛かった海外出張」について。それは、視覚的にはモノクロで全体に霧がかかったような不鮮明な映像、聴覚的には音量が小さくてモノトーンのような響き、体感覚的には冷ややかで緊張感のある張りつめた空気感をもっているとします。

この場合、両者のサブモダリティの「差異」を検出し、ネガティブな経験のサブモダリティをポジティブな経験のサブモダリティに変換することによって、その経験の印象や反応が変わります。

このように、サブモダリティを変換することによって、辛い経験によるネガティブな印象や反応は緩和され、楽しい経験によるポジティブな印象や反応は強化されます。

旅行













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記事更新日:2022/04/28

サブモダリティ応用エクササイズ「心の美術館にいく」

サブモダリティ応用エクササイズ「心の美術館にいく」

ステップ1
・リラックスする。
・自分がいま美術館にいると仮定する。

美術館













ステップ2
・ネガティブなことを一つ思い浮かべる。
・思い浮かべたものを、額縁のある1枚の絵にする。

 例:「上司に怒られている私」
叱責













ステップ3
・ポジティブなことを一つ思い浮かべる。
・思い浮かべたものを、額縁のある1枚の絵にする。

 例:「美しいエベレストと渡り鳥」
エベレスト











ステップ4
・美術館の中に、2枚の絵がそれぞれ飾られているのをイメージする。
・ネガティブな絵から離れ、ポジティブな絵をじっくり眺める。

ステップ5
・ポジティブな絵を眺めながら、自分の心身の状態を確認する。


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記事更新日:2022/04/28

サブモダリティ応用エクササイズ「大きな木になる」

サブモダリティ応用エクササイズ「大きな木になる」

ステップ1
・リラックスした状態で立つ。
・自分の身体が1本の大きな木になったと仮定する。

ステップ2
・ステップ1をVAK(視覚、聴覚、体感覚)で表出する。
・それぞれの感覚の表出にはサブモダリティを応用する。

ステップ3
・木の中心から1本の太い根が地球の中心へと伸びていくのをイメージする。
・地球の中心まで伸びた根を強化する(例:地球の中心に巻きつける)。

ステップ4
・自分の身体のグラウンディングとセンタリングを確認する。
・例:自分の身体を他者から軽く押してもらう。


木














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記事更新日:2022/04/28

サブモダリティ基礎エクササイズ「サブモダリティの認識」

サブモダリティ基礎エクササイズ「サブモダリティの認識」

1.サブモダリティが応用されているものを探しましょう。

  例:建物の設計図や間取り図
  例:音楽の楽譜


2.設計図や間取り図、楽譜をサブモダリティとマッピングさせましょう。

間取り図












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記事更新日:2022/04/28

サブモダリティ基礎エクササイズ「サブモダリティの表出」

サブモダリティ基礎エクササイズ「サブモダリティの表出」

1.サブモダリティによって細分化されたそれぞれの感覚を、自分の脳内でひとつひとつ表出する。

視覚に関するサブモダリティの例
聴覚に関するサブモダリティの例
体感覚に関するサブモダリティの例


2.エクササイズの方法には、どのようなものがありますか?


絵を描く


















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記事更新日:2022/04/28

体感覚に関するサブモダリティの例

List of 'Submodalities' of the Three Primary Human Sensory Modalities.
3つの主要な感覚モダリティの「サブモダリティ」についてのリスト

体感覚に関するサブモダリティの例

Temperature(温度)
暖かい/寒い、温かい/冷たい

Texture(質感)
つるつる/ざらざら/その他

Strength(強度)
強い/弱い、硬い/柔らかい

Weight(重量)
重い/軽い

Humidity(湿度)
湿っている/乾いている

Pressure(圧力)
圧力が強い/圧力が弱い

Tension(緊張)
緊張感がある/緊張感がない(リラックス)

Number
(個数)
単数/複数(複数である場合:同時発生/順次発生)

Duration(持続)
持続/断続

Movement(動き)
動いている/静止している
(動いている場合:動きの速度/動きの方向性/動きの安定性)

Rhythm(律動)
動きにリズムがある/リズムがない

Location(位置)
上方/下方/右側/左側/自分の身体の中

Center(中心)
中心がある/中心がない(感覚の中心または重心)

Area(範囲)
広い/狭い

Nociception(痛覚)
痛みや痒みの感覚

露天風呂
















視覚に関するサブモダリティの例
聴覚に関するサブモダリティの例


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記事更新日:2022/05/05

聴覚に関するサブモダリティの例

List of 'Submodalities' of the Three Primary Human Sensory Modalities.
3つの主要な感覚モダリティの「サブモダリティ」についてのリスト

聴覚に関するサブモダリティの例

Tone(音色)
自然音/人工音/楽器の音色/動物の鳴き声/雑音/その他

Digital
(離散的)
−デジタルの語源はラテン語の「指(digitus)」であり、「指でかぞえる」という意味から派生した。
−デジタルとは、離散化(整数のような数=digit)によって飛び飛びの値しかない状態で処理を行うこと。
−NLPでは「言葉」を意味することがある。

Analog(連続的)
アナログの元の英語(analogy)は「類似・相似」を意味し、その元のギリシャ語(αναλογία)は「比例」を意味します。

−アナログとは、連続した量を他の連続した量で表示すること。

 

Pitch(音高)
高い/低い

Volume(音量)
大きい/小さい

Quality(音質)
澄んだ音/濁った音

Intonation(抑揚)
抑揚がある/抑揚がない

Melody(旋律)
旋律がある/旋律がない

Number(個数)
単数/複数(複数である場合:同時発生/順次発生)

Duration(持続)
持続/断続

Rhythm(律動)
リズムがある/リズムがない

Tempo(速度)
速い/遅い

Location(位置)
上方/下方/右側/左側/自分の身体の中

Distance(距離)
近い/遠い(想定される寸法:センチ/メートル)

Source(音源)
ステレオ(立体音響)/モノラル(単一音源)

Position(配置)
アソシエート(結合体験)/ディソシエート(分離体験)

ステージ












視覚に関するサブモダリティの例
体感覚に関するサブモダリティの例


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記事更新日:2022/05/05

視覚に関するサブモダリティの例

List of 'Submodalities' of the Three Primary Human Sensory Modalities.
3つの主要な感覚モダリティの「サブモダリティ」についてのリスト

視覚に関するサブモダリティの例

Hue(色相)
白黒/カラー
−スペクトル(可視光および紫外線・赤外線などを分光器で分解して波長の順に並べたもの)
−錐体細胞(赤・緑・青)


Brightness
(明度)
明るい/暗い

Saturation(彩度)
鮮明/不鮮明

Digital
(離散的)
−デジタルの語源はラテン語の「指(digitus)」であり、「指でかぞえる」という意味から派生した。
−デジタルとは、離散化(整数のような数=digit)によって飛び飛びの値しかない状態で処理を行うこと。

Analog(連続的)
アナログの元の英語(analogy)は「類似・相似」を意味し、その元のギリシャ語(αναλογία)は「比例」を意味します。

−アナログとは、連続した量を他の連続した量で表示すること。

 

Contrast(対比)

はっきり/ぼんやり

Focus(焦点)
焦点が合う/焦点が合わない

Detali(詳細)
詳細である/詳細でない(詳細である場合:全景/部分)

Number(個数)
単数/複数(複数である場合:同時発生/順次発生)

Duration(持続)
持続/断続

Size(寸法)
大きい/小さい(想定される寸法:センチ/メートル)

Form(外形)
正方形/長方形/円形/楕円形/その他

Dimension(次元)
2次元(平面)/3次元(立体)

Frame(枠)
枠がある/枠がない(枠がある場合:枠の厚み/枠の色)

Location(位置)
上方/下方/右側/左側

Distance(距離)
近い/遠い(想定される寸法:センチ/メートル)

Movement(動き)
動画/静止画(動画の場合:動きの速度/動きの方向性/動きの安定性)

Proportion(均整)
均整が取れている/均整が取れていない

Position(配置)
アソシエート(結合体験)/ディソシエート(分離体験)

室内











聴覚に関するサブモダリティの例
体感覚に関するサブモダリティの例


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記事更新日:2022/05/05

サブモダリティという概念について

NLP共同創始者リチャード・バンドラーは、人間の脳の機能にホログラフィーの原理を応用するという独自の研究において、サブモダリティ(Submodality)というモデルを考案し、1985年に出版された著書 'Using Your Brain' の中で紹介しました。(Bandler, 1985, p.24)

サブモダリティとは、自分自身の経験を印象として思い浮かべたものについて、視覚、聴覚、体感覚等の知覚レベルでさらに細分化させた要素を意味します。

例えば、「昨日のディナーのようす」を印象として思い浮かべた場合、そのサブモダリティは、視覚であれば、色(カラーか白黒か)、明度(明るいか暗いか)、彩度(鮮明か不鮮明か)など、その時の印象について、さらに細分化させた要素を細かく表出することができます。

プレゼント












バンドラーが最初にリストアップした14種類のサブモダリティ:

1. 色
2. 距離
3. 深さ
4. 持続期間
5. 鮮明度
6. コントラスト
7. 広さ
8. 動き
9. 速さ
10. 色合い
11. 透明度
12. 縦横比
13. 方向性
14. 前景/背景


バンドラーがサブモダリティについて記述した著書:
Amazon:







サブモダリティという概念については、1890年に心理学の先駆的存在ウィリアム・ジェイムズが作成したリストに、すでに記述されています。

ウィリアム・ジェイムス(William James)


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記事更新日:2022/04/27

サブモダリティについて(目次)

ニューコードNLPスクールのブログで、「サブモダリティ」について書いた記事の一覧です。

サブモダリティについて(目次)
2011/10/10 サブモダリティについて(目次)

サブモダリティについて(記事)
2011/10/11 サブモダリティという概念について
2011/10/12 視覚に関するサブモダリティの例
2011/10/13
聴覚に関するサブモダリティの例
2011/10/14
体感覚に関するサブモダリティの例

サブモダリティに関するエクササイズ
2011/10/15 サブモダリティ基礎エクササイズ「サブモダリティの表出」
2011/10/16 サブモダリティ基礎エクササイズ「サブモダリティの認識」
2011/10/17 サブモダリティ応用エクササイズ「大きな木になる」
2011/10/18 サブモダリティ応用エクササイズ「心の美術館にいく」
2011/10/19 サブモダリティ応用エクササイズ「サブモダリティの変換」

サブモダリティに関する補足資料
2011/10/20 世界を彩色する


美術館














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記事更新日:2022/04/28

Hideo Kobayashi and a Firefly

Hideo Kobayashi (1902-1983), a Japanese literary critic and author, begins his unfinished work on the French philosopher Henri Bergson as follows:

-----------------------

A few days after my mother passed away, I had a weird experience. Back then I didn’t want to tell anybody about it, and in fact I never did. But I couldn’t bear this strange feeling and I once decided to write about it under the title I came up with, A Fairy Tale Experience, though it never happened. Now finally, I will simply describe what really happened that day. Having noticed that there was no more candle offering for hotoke (the deceased spirit), I went out to get some. My family lived in the deep forest of Ogigayatsu, and there was a creek running in front of our house. It was already dark outside. I walked through the gate, and saw a firefly flickering. Every year we see many of them, but it was the first one I ever saw that year. I had never seen such a big one, and one that glowed so beautifully. Just then an idea occurred to me; “My mother has just appeared before me as a firefly.” Following the glow in the air, I couldn’t shake off that feeling any more. My readers, I assume, could just laugh away my sentiment, and I can do that too. But here is the rub――to tell you the truth, I haven’t described what really happened yet. That moment I never thought, “Oh this is the first firefly I ever saw this year” nor “This one glows like I have never seen.” Only after a while did I reflect upon that experience once or twice, but that day I swear I didn’t. In fact, I didn’t even think that my mother somehow turned into the firefly. Everything just seemed to be natural. So if I were to simply describe what really happened as it happened, it should be something like, “I walked through the gate, and saw my mother/firefly flickering.” In other words, I would have to write a fairy tale. Hence the title, A Fairy Tale Experience.

(Complete Works of Hideo Kobayashi, Supplementary Volume. 1, p.11-12)
-----------------------------

Henri Bergson was a philosopher who sought to understand the relationship between our physical brain and our mind. In writing on Bergson, perhaps Hideo Kobayashi couldn’t help but mention his own experience; he saw a firefly and naturally thought it was his deceased mother, a story that points to our mysterious natureAnd this could have something to do with a sensory modality that we share as a human race. 

蛍











小林秀雄と蛍


日本の文芸評論家で作家の小林秀雄(1902-1983)は、フランスの哲学者、アンリ・ベルグソンの思想を論じた未完の評論「感想」を、次のように書き始めています。

-----------------------
母が死んだ数日後の或る日、妙な経験をした。誰にも話したくはなかつたし、話したことはない。尤も、妙な気分が続いてやり切れず、「或る童話的経験」という題を思い附いて、よほど書いてみようと考えた事はある。今は、ただ、簡単に事実を記する。仏に上げる蝋燭を切らしたのに気附き、買いに出かけた。私の家は、扇ヶ谷の奥にあって、家の前の道に添うて小川が流れていた。もう夕暮れであった。門を出ると、行手に蛍が一匹飛んでいるのを見た。この辺りには、毎年蛍をよく見掛けるのだが、その年は初めて見る蛍だった。今まで見たこともない様な大ぶりのもので、見事に光っていた。おっかさんは、今は蛍になっている、と私はふと思った。蛍の飛ぶ後を歩きながら、私は、もうその考えから逃れることが出来なかった。ところで、無論、読者は、私の感傷を一笑に附する事が出来るのだが、そんな事なら、私自身にも出来る事なのである。だが、困ったことがある。実を言えば、私は事実を少しも正確に書いていないのである。私は、その時、これは今年初めて見る蛍だとか、普通とは異って実によく光るとか、そんな事を少しも考えはしなかった。私は、後になって、幾度か反省してみたが、その時の私には、反省的な心の動きは少しもなかった。おっかさんが蛍になったとさえ考えはしなかった。何も彼(か)も当り前であった。従って、当り前だった事を当り前に正直に書けば、門を出ると、おっかさんという蛍が飛んでいた、と書くことになる。つまり、童話を書くことになる。後になって、私が、「或る童話的経験」という題を思い附いた所以である。

小林秀雄全作品 別巻1』p.11-12)
-----------------------------

アンリ・ベルグソンは、物質である脳と、私たちの心がどのような関係にあるかを探究した哲学者です。小林秀雄は、このベルグソン論の冒頭で、蛍を見てそれを自分の亡くなった母親だと思ってしまうような、人間の不思議さを想起させるエピソードに触れたのかも知れません。これも私たち人間の感覚モダリティのひとつかもしれません。

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記事投稿日:2022/06/17

小林秀雄と蛍

日本の文芸評論家で作家の小林秀雄(1902-1983)は、フランスの哲学者、アンリ・ベルグソンの思想を論じた未完の評論「感想」を、次のように書き始めています。

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母が死んだ数日後の或る日、妙な経験をした。誰にも話したくはなかつたし、話したことはない。尤も、妙な気分が続いてやり切れず、「或る童話的経験」という題を思い附いて、よほど書いてみようと考えた事はある。今は、ただ、簡単に事実を記する。仏に上げる蝋燭を切らしたのに気附き、買いに出かけた。私の家は、扇ヶ谷の奥にあって、家の前の道に添うて小川が流れていた。もう夕暮れであった。門を出ると、行手に蛍が一匹飛んでいるのを見た。この辺りには、毎年蛍をよく見掛けるのだが、その年は初めて見る蛍だった。今まで見たこともない様な大ぶりのもので、見事に光っていた。おっかさんは、今は蛍になっている、と私はふと思った。蛍の飛ぶ後を歩きながら、私は、もうその考えから逃れることが出来なかった。ところで、無論、読者は、私の感傷を一笑に附する事が出来るのだが、そんな事なら、私自身にも出来る事なのである。だが、困ったことがある。実を言えば、私は事実を少しも正確に書いていないのである。私は、その時、これは今年初めて見る蛍だとか、普通とは異って実によく光るとか、そんな事を少しも考えはしなかった。私は、後になって、幾度か反省してみたが、その時の私には、反省的な心の動きは少しもなかった。おっかさんが蛍になったとさえ考えはしなかった。何も彼(か)も当り前であった。従って、当り前だった事を当り前に正直に書けば、門を出ると、おっかさんという蛍が飛んでいた、と書くことになる。つまり、童話を書くことになる。後になって、私が、「或る童話的経験」という題を思い附いた所以である。

小林秀雄全作品 別巻1p.11-12
-----------------------------

アンリ・ベルグソンは、物質である脳と、私たちの心がどのような関係にあるかを探究した哲学者です。小林秀雄は、このベルグソン論の冒頭で、蛍を見てそれを自分の亡くなった母親だと思ってしまうような、人間の不思議さを想起させるエピソードに触れたのかも知れません。これも私たち人間の感覚モダリティのひとつかもしれません。


蛍










Hideo Kobayashi and a Firefly

Hideo Kobayashi (1902-1983), a Japanese literary critic and author, begins his unfinished work on the French philosopher Henri Bergson as follows:

-----------------------

A few days after my mother passed away, I had a weird experience. Back then I didn’t want to tell anybody about it, and in fact I never did. But I couldn’t bear this strange feeling and I once decided to write about it under the title I came up with, A Fairy Tale Experience, though it never happened. Now finally, I will simply describe what really happened that day. Having noticed that there was no more candle offering for hotoke (the deceased spirit), I went out to get some. My family lived in the deep forest of Ogigayatsu, and there was a creek running in front of our house. It was already dark outside. I walked through the gate, and saw a firefly flickering. Every year we see many of them, but it was the first one I ever saw that year. I had never seen such a big one, and one that glowed so beautifully. Just then an idea occurred to me; “My mother has just appeared before me as a firefly.” Following the glow in the air, I couldn’t shake off that feeling any more. My readers, I assume, could just laugh away my sentiment, and I can do that too. But here is the rub――to tell you the truth, I haven’t described what really happened yet. That moment I never thought, “Oh this is the first firefly I ever saw this year” nor “This one glows like I have never seen.” Only after a while did I reflect upon that experience once or twice, but that day I swear I didn’t. In fact, I didn’t even think that my mother somehow turned into the firefly. Everything just seemed to be natural. So if I were to simply describe what really happened as it happened, it should be something like, “I walked through the gate, and saw my mother/firefly flickering.” In other words, I would have to write a fairy tale. Hence the title, A Fairy Tale Experience.

(Complete Works of Hideo Kobayashi, Supplementary Volume. 1, p.11-12)
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Henri Bergson was a philosopher who sought to understand the relationship between our physical brain and our mind. In writing on Bergson, perhaps Hideo Kobayashi couldn’t help but mention his own experience; he saw a firefly and naturally thought it was his deceased mother, a story that points to our mysterious nature. And this could have something to do with a sensory modality that we share as a human race. 


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記事投稿日:2022/06/17

クオリアについて

朝、目が覚めると、突然、そこに〈私〉が現れる。様々な質感(クオリア)を感じる〈私〉が現れる。ベッドのシーツの、さらさらとして、ひんやりとした感触がある。目覚まし時計のカチカチと鳴る音がある。夜がまだ明け切らないころに目が覚めれば、しーんとしずまりかえった時間の流れの感覚がある。チュンチュンと鳴く鳥の声が聞こえてくることもある。淹れたてのコーヒーの香りが漂ってくることもある。

朝食












目覚めは常に、このようなクオリアとの出会いである。〈私〉の意識が立ち上がると同時に、私たちは、クオリアに満ちた世界に入っていく。そのまま、多彩なクオリアに囲まれつつ、私たちは時間を過ごす。やがて、再び眠りにつくまで、クオリアが、私たちの体験を定義付ける。

クオリア(qualia)とは、もともとはラテン語で「質感」を表す単語であり、その単数形は quale である。1990年代の半ばから、物質である脳内の神経細胞の活動から意識が生み出されることの不思議さを象徴する言葉として、研究者の間で広く使われるようになった。

現代の脳科学では、およそ「意識の中で〈あるもの〉として把握されるもの」の全てがクオリアであると考えられている。コップの透明感も、舌に載せたチョコレートの甘さも、バラの香りも、そこはかとない寂しさも、こみ上げる怒りも、確かに覚えているのだが思い出せないというもどかしい感覚も、およろ意識の中でユニークな質感として把握されるものは、全てクオリアである。私たちの意識は、クオリアのかたまりとして世界の中に存在しているいるのである。
(茂木健一郎著「脳内現象」p.24-25より)


脳内現象 (NHKブックス)
茂木健一郎
NHK出版
2004-06-24




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記事更新日:2022/04/25

感覚モダリティについて

「感覚モダリティ」(英:Sensory modality)とは、それぞれの感覚器で感知する固有の経験の種類、すなわち現象的意識(phenomenal consciousness)のことです。感覚モダリティには「光、音、温度、味、圧力、臭い」のモダリティが含まれます。異なった受容器を通して生じた感覚的経験はそれぞれ質的に異なります。つまり、視覚による経験(鳥が飛ぶ姿を見る)は、聴覚による経験(鳥の鳴き声を聴く)とは当然異なります。

鳥












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記事更新日:2022/04/25

modality の語源とその意味

modalityの語源

英語の modality(モダリティ)ということばは、中世ラテン語の modalitas(モダリタス)という語に由来しています。そしてこの modalitas ということばは、同じくラテン語で〈尺度〉や〈方法〉などの意味をもつ modus(モードゥス)ということばを語源としています(参考:ジーニアス英和大辞典)。
 

modalityの意味

〈尺度・方法〉を語源的意味としてもつ modality は、現代英語において次のような意味で用いられています(参考:ジーニアス英和大辞典。例文は Oxford Advanced Learners Dictionary ならびにOxford Dictionary of English)。

(1)
様式[形式]的であること、様式[形式]性。


(2)〔
言語〕法性、法《可能性・必然性・蓋然性などについての話し手の心的態度》。

(3)
〔音楽〕法性。

(4)
〔論理〕様相、様態(mode)。

(5)
〔医学〕物理療法;様相。モダリティ。 例)They are researching a different modality of treatment for the disease. (かれらはその病にたいする異なる治療法の研究をしている。)

(6)
感覚、五感  例)the visual and auditory modalities. (視覚と聴覚)

(7)
[〜ties]政治的・外交的交渉において従うべき手順。  例)they addressed questions concerning the modalities of Soviet troop withdrawals. (彼らは、ソビエト軍の撤退の手順に関する問題に取り組んだ。)


 

「様相」や「法性」など、聞き慣れない日本語ばかりだと思われたかも知れません。ですが、中心的な意味はシンプルです。モダリティは要するに、〈どのような〉に関わることばである、と考えてみてください。

(2)の
意味での modality を取り上げてみましょう。「法性」と訳されていますが、これはあることがらに対して話し手が「どのような」態度・考えをいだいているか、について語るための言語学用語です。たとえば、「雨が降っている」という文に対し、「雨が降るかもしれない」や「雨が降っているらしい」など、話し手の考えや判断をはさみこんだ文のことを modal な文といいます。ここには、「雨が降る」というできごとに対して話し手が「どのような」判断をしているかが含まれています。〈どのような〉という意味が共有されているため、言語学の分野におけるモダリティの一例となるわけです。

 

もう一つ、(6)の意味での modality を見てみましょう。これもまた、五感のうち「どの(ような)」器官によって感覚しているか、を表すことばと考えることができます。たとえば、「目」という器官による感覚であれば「視覚」のモダリティとなり、「耳」という器官であれば「聴覚」のモダリティとなる、というわけです。

 

まとめると、modality は〈どのような〉という中心的意味をもっている、ということでした。それが言語学の分野になると、「法性(=話し手がどのような判断をしているか)」という用語になり、またさらに医学の分野になると「物理療法(=どのような治療法か)」などと訳され、そして政治の分野になると「外交交渉における手順(=どのように外交を進めるか)」などと訳される、というわけです。


 

modalityの関連語

語源の項で説明したとおり、modality とは、ラテン語で〈尺度〉や〈方法〉を意味する modus を語源とすることばでした。ここではその関連語を、とくに興味深い例にしぼって紹介したいと思います。

 

mode(モード)

日本語でも「本気モード」や「集中モード」などという表現で、日常的に使われていることばです。これも〈どのように〉という中心的意味で説明することが出来ます。たとえば、学生が「今日の試験は本気モードでいくぞ」と言ったとしましょう。ここには、その学生が今日の試験に「どのような」気持ちで臨むかが表されているため、mode(モード)ということばが使われているのです。

 

model (モデル)

同じく日本語として日常的に用いられている「モデル」も、じつはモダリティの関連語の一つです。これは、modus の語源的意味のうち「尺度」が発展したものと考えることができます。モデルには「模範」や「見本」などの意味がありますが、私たちはそのモデルを基準にして(=尺度として用いて)、自分のふるまいやファッションについて考えたりするものだからです。

 

multimodal(マルチモーダル)

modalityの意味」の項で、modality ということばには「感覚、五感」の意味があることを確認しました。その意味での modal に、「複数の」を意味する multi(マルチ)がくっついたのが、この multimodal(マルチモーダル)ということばです。五感のうち一つの器官だけでなく、複数の器官をもちいた感覚のことをマルチモーダルといいます。たとえば、目で見ているだけであれば「視覚」のみによるシングルモーダルですが、目で見ながら耳でも聞いているときは「視覚」と「聴覚」によるマルチモーダルということになります。


花











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記事更新日:2022/04/25

モダリティについて(目次)

ニューコードNLPスクールのブログで、「モダリティ」について書いた記事の一覧です。

モダリティについて(目次)
2011/10/01 モダリティについて(目次)

モダリティについて(記事)
2011/10/02 modality の語源とその意味
2011/10/03 感覚モダリティについて
2011/10/04 クオリアについて

その他
2011/10/05 小林秀雄と蛍
2011/10/06 Hideo Kobayashi and a Firefly


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記事投稿日:2022/06/17
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